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  • 【米国獣医マッチング】2024年のスケジュールを紹介!

    【米国獣医マッチング】2024年のスケジュールを紹介!

    この記事では、2024年のマッチングのスケジュールについて解説します。 候補者には、2回の締め切りがあります。この締め切りに何を提出するかなどをイメージして、期限前にしっかりと準備ができているようにしましょう。 2024年カレンダー 2023年9月1日プログラムエントリー 2024年のマッチは、前の年の9月から始まります。 プログラムのエントリーとは、各大学や動物病院がポジションの掲載をし始めることを指します。この間、候補者はまだこの情報を見ることはできません。 2023年10月1日プログラム検索 10月になって、初めて候補者がポジション(プログラム)を検索することができるようになります。この期間は、まだすべてのポジションが掲載されているとは限らないため、検索をし始めるのはいいですが、プログラムエントリーの締め切りまでは情報をアップデートし続ける必要があります。 2023年11月1日プログラムエントリーの期限と候補者の登録開始 ここでようやくすべてのポジション(プログラム)についての情報が出揃ったということになります。 この日から、候補者はマッチングプログラムに個人情報を登録をして、サインインできるようになります。 この期間に行わなければいけないことは大きく2つです。 ①プログラムのリサーチ プログラムに関する詳細の体外はマッチングのホームページに詳細が書いてあります。しかし、外国人の受け入れやビザの複雑な事情がある場合は、「きっとそうだろう」と仮定しないで必ず直接担当の方に問い合わせることをお勧めします。 それによって、広がる可能性もあれば、採用されないポジションに申し込んで自分の時間を無駄にすることも防げます。 ②パケット(必要書類を揃える) マッチングプログラムに必須となるパケットとは以下になります。 卒業した獣医大学の書類を集めるのに、時間がかかることもあるので、余裕を持って準備することをお勧めします。 履歴書、パーソナルステートメントを完成させるのに、私はものすごく時間を要しました。早めから取り掛かり、アメリカで獣医大学で働く先生などに添削してもらうことをお勧めします。 日本人の謙虚なステートメントは、アメリカ人からすると「自信のなさ」と捉えられてしまう可能性が高いです。よって、アメリカ人にとって見栄えの良いステートメントにするための努力が必要かもしれません。 私個人的な意見としては、このパケットの中で最も重要なのが推薦状です。そして、いい推薦状をもらうために1年間もしくはそれ以上努力をし続ける必要があります。誰に頼むかがキーとなります。大御所の先生の書いた、「弱いレター」と、無名の先生の書いた「強いレター」。おそらく後者の方が良い印象を与える可能性が高いです。「強いレター」をもらえる人から推薦状をもらうようにすることをお勧めします。 推薦状は、候補者を介さず、直接VIRMP協会へ送られることになります。よって、候補者は、自分のサインインページから、推薦状が提出されたかをみることはできますが、中身を見ることはできません。 推薦状がもしも期限ギリギリまで揃っていない場合は、書いてくれる人が忘れている可能性を考慮して、リマインドを送ることをお勧めします。もしも推薦状が申し込み締め切りまでに間に合わなければ、実質どこの学校ともマッチしない可能性が高いので気をつけましょう。 2024年1月8日申し込み締め切り この日が、上記に述べた2点(応募するプログラム及びパケット)のデッドラインになります。この2点以外にも、大学固有で必要な提出書類がある場合もあるので、しっかりと確認しましょう。 この申し込みが終わったら、次の締め切りまで何をするのでしょうか。 この間には、面接を受けたり、どのプログラムに行きたいか(もしくは行きたくないか)を決めるための情報収集を行います。 面接のオファーは大学側からくることが多いです。オファーをもらうということは、大学側があなたに興味がある証拠です。もしも面接のオファーが来なかった場合は書類で「可能性が低い」と捉えられた可能性が高いです。(ローテーティングインターンには面接を行わないことが一般的です) 日本から応募する場合、自分もそうでしたが、「どこでも良いから入れてくれ」状態になりがちです。実際そうなのですが、面接をする側としては、「どこでも良いならウチでなくてもいいな」と感じてしまう可能性が高いので、しっかりとプログラムの特徴を把握し、「このプログラムで勉強したいです」と伝えることをお勧めします。 2024年2月16日候補者のランキング締め切り マッチング最後の締め切りです。 ここでは、面接などで得た情報や感触をもとに、どの大学に行きたいかの順番を決めます。 「この大学には絶対に行きたくない」という場所があれば、その大学をランクから外すことで絶対にそこにマッチする可能性は無くなります。 また、何らかの事情によってマッチングから手を引きたい場合(来年から働けなくなる、など)はここで「withdraw」することで、どこにもランクしていない状態にすることができるので、ペナルティなくマッチを中断することができます。 万が一、マッチしてしまった大学で働けなくなった、という状況が起こった場合、マッチングプログラムに次から3年間申し込みすることができなくなる「ペナルティ」が課されることになるので注意しましょう。 2024年3月4日マッチ結果発表 候補者のランキングの後に、大学側の候補者のランキングが行われます。これによって、マッチングのアルゴリズムに沿ってだれがどこの大学のプログラムに入るかが決定することになります。 もしもマッチできなかった場合、スクランブルと言って、マッチできなかった候補者とマッチできなかった大学の個々の採用が始まります。スクランブルは、もはや早いもの勝ちと言ってもおかしくないシステムなので、自分から大学に積極的に連絡をとりに行く必要があります。 また、連絡が来る可能性もあるので、電話やメールにすぐに対応できるようにしましょう。 2024年3月18日情報開示 ここで、定員割れしたポジションの情報が、マッチングに申し込んだ人以外にも開示されることになります。誰でもあいたポジションを狙いにいける期間ということです。 終わりに この記事でマッチングのシステム(どの時期に何をしなければいけないか)を理解していただけたでしょうか。候補者としてやらなければいけないことはそこまで多くありません。ただ、様々な情報が飛び交ったり、他の人の話に流されたりと、とてもストレスがかかる時期と言ってまちがいないでしょう。 準備をしっかりすることで、少しでもチャンスが大きくなる可能性があります。寒い時期で辛いですが、みなさん頑張ってチャンスを掴んでください。

  • 【犬猫呼吸困難の原因11種類】病態から理解する犬猫の病気

    【犬猫呼吸困難の原因11種類】病態から理解する犬猫の病気

    【呼吸困難の原因】についてのインスタグラムの投稿です。 呼吸困難は11種類の病態に分けることができます。 解剖学的にどこに問題があるかで、安定化のアプローチが異なってきます。 これらを呼吸様式や聴診、身体検査、TFASTからこれらを分類することで、命の危険がある状態の患者さんの安定化方法が見えてきます。 安定化後のさらなる検査によって診断を絞っていきます。病態による分類ごとの鑑別疾患リストがあれば、どんな検査が必要になるかもプランが立てやすくなります。 11種類も多い!と思われるかもしれせんが、一つ一つ病態を理解すれば、どうして神経系の病気と呼吸器の異常がつながるか、などがわかるようになります。 View this post on Instagram A post shared by みけ🇺🇸と学ぶ ER/ICU動物看護 (@eccvet_mike) View this post on Instagram A post shared by みけ🇺🇸と学ぶ ER/ICU動物看護 (@eccvet_mike) \この記事のハイライト/☆​呼吸困難の原因を11種類に分類する☆各分類に含まれる疾患をイメージする \関連記事/☆呼吸困難の原因11種類(前編)☆上部気道疾患☆下部気道疾患☆神経原性呼吸困難☆胸腔内の疾患☆胸壁の疾患(後編)☆胸腔外の疾患☆肺実質 ☆心原性☆肺血栓 ☆血管系 今回の投稿がためになった!面白かった!という方は見返せるようにインスタグラムで保存やいいね!もよろしくお願いしますm(_ _)m

  • 犬・猫の呼吸困難②11カテゴリーに分けて考える

    犬・猫の呼吸困難②11カテゴリーに分けて考える

    はじめに 著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、2023年現在アメリカの大学で獣医救急集中治療(ECC)専門医になるためのレジデントをしています。 この記事では、新人獣医さんに向けて、呼吸困難の症例がきた時の診断までの思考プロセスをご紹介します。このプロセスをしっかりと理解し、鑑別疾患を上げて順序立てて診断を組み立てて行く事で、呼吸困難患者さんに向き合うのが怖くなくなります。 犬・猫の呼吸困難①では、なぜ診察の際に「ちゃんと考える事が大事か」を説明しました。犬・猫の呼吸困難②では呼吸困難の原因11つのカテゴリーをご紹介します。このカテゴリーに当てはめる事で、患者さんをどう安定させるかのヒントを得る事ができます。臨床現場で直結して役に立つ内容を、アメリカのトレーニングで学んだ事や経験を盛り込みながら解説します。①-④まで最後までご覧ください。 呼吸困難患者さんの診察のゴール 呼吸困難総論の最初の記事なので、最初に獣医師の仕事としてのゴールについて書きます。 私たちのゴールは、3つです。 アメリカの救急集中治療科の役割は、主に①になります。そして②と③は内科が専門とする領域になります。 全ての呼吸困難は、11つのカテゴリーに分類する事ができます。①は、呼吸困難の原因をこの11のカテゴリーのどれにあたるのかを即座に判断し、それに応じた安定化を行うという工程になります。 さていよいよ、11カテゴリーをご紹介していきます。 頻呼吸を11カテゴリーに分けて考える 呼吸が速い、努力呼吸の原因はこれら11個のカテゴリーに分類できます。最後のlook-alikeとは、痛み、酸塩基のバランスの乱れ、興奮、敗血症、など、呼吸器や換気以外の原因が含まれます。 呼吸器の症例を見たときに、最初のゴールはこの11個のカテゴリーのどれに当てはまるかを推測することになります。 このカテゴリーの中に、様々な病態が含まれます。具体的な疾患を診断する前に、11つのうちどれに当てはまるかを分類する事で、次のステップ、診断(どこにフォーカスを当てるか)や安定化の方法が異なります。 上部気道、下部気道、肺実質のおさらい それでは、11個を上から順に説明して行く前に、上部気道、下部気道、肺実質のおさらいだけしておきます。 呼吸器は、上部気道、下部気道、肺実質の3つで構成されます。呼吸困難の全てがこの3つに分類できれば簡単なのですが、呼吸器以外の疾患によっても呼吸困難が生じるので、11カテゴリー全ての可能性を考慮する事が重要です。 それではいよいよ、①からざっくりとカバーしていきます。もっと詳しく勉強したい方は、リンクからその疾患に特化したページもご用意しているので、ご覧ください。 ①上部気道閉塞: upper airway 上部気道閉塞の異常で代表的なのは、短頭種気道症候群です。外鼻孔狭窄、軟口蓋過長、気管低形成とといった、気管支手前までの気道が狭くなる病気の総称です。(短頭種気道症候群に関してはこちらのページで詳しく解説しているのでご参照ください) 他には、鼻腔内ポリープ、腫瘍、異物、喉頭麻痺、喉頭虚脱、気管虚脱などの病気があります。 上部気道閉塞を患った患者さんは特徴的な呼吸をします。聴診器を使わずにも聴こえる、ストライダーやスターターという異常呼吸音を出します。呼吸様式、聴診に関してはこちらの記事で解説しています。 上部気道閉塞を引き起こす代表的な疾患 ②下部気道閉塞: lower airway 下部気道疾患の代表的な疾患 肺胞に入るまでの細い気管支に炎症などの異常が起こることで呼気努力が生じるのが特徴的です。お腹で押すように、吐く時に力を入れます。呼吸様式は、吸う時間に比べ吐く時間が長くなることも特徴的です。聴診では、笛の音の様なウィーズが一般的に聞こえます。 猫は喘息が重症になると開口呼吸をします。 慢性気管支炎や猫喘息の原因は様々です。環境的な要因が関与していることもあります。 ③肺実質疾患: parenchymal diseases 肺実質の異常に含まれる代表的な疾患 誤嚥性肺炎やケンネルコフなどの肺炎がよく見られる代表疾患です。他には、ARDSやALIなどの肺炎、寄生虫やカビ感染、異物の混入などによる肺炎、免疫疾患である好酸球性肺炎などもあります。 呼気吸気にかかわらず呼吸数が速くなることが多いです。感染性の場合、呼吸様式の変化だけでなく、湿性の咳をしたり、発熱などの他の症状を呈することもあります。酸素化機能が低下するため、重度の場合、チアノーゼが見られることもあります。 ④胸腔内の異常: pleural diseases 胸腔内の異常に含まれる代表的な疾患 胸腔内で何かが大きくなる/増えることで肺が広がるスペースがなくなり、換気不全になります。うまく換気できないことで体内にCO2が蓄積することから呼吸数が上昇します。 猫では、胸水によってparadoxical componentといって、胸とお腹の動きが相反するような呼吸をすることが多いといわれています。 胸水の原因も様々で、腫瘍、出血、感染、乳糜、心臓病(犬では右心不全、猫では左心不全でも生じる)、特発性などがあります。また、気胸と言って、胸腔内に空気がたまる病態、胸腔内の腫瘍の増大においても肺がうまく膨らめないことによって頻呼吸が生じます。 胸腔内疾患に関してはこちらで解説していきます。 これらの異常は、患者さんにストレスをかけてレントゲンを撮影する前に、FASTスキャンができれば簡単に検出することができます。必要に応じて治療的胸水抜去を行い、安定化してからレントゲンを撮れば、患者さんが急変するリスクを減少できます。 ⑤胸腔外の異常 胸腔外の異常とは、例えば腹部の腫瘍が増大/GDV/腹水などで腹部から胸腔を圧迫、肺が拡がれなくなるような場合を指します。お腹からの圧力が原因の場合は、GDVであれば減圧、腹水であれば腹水抜去などそちらの原因除去を優先させます。 しかし、呼吸器の病気を合併している場合もあるので、原因と思われたものが解除された後の再評価も非常に重要です。 ⑥胸壁の異常: body wall 胸壁の異常の代表疾患…

  • アメリカで獣医師として働く方法①

    アメリカで獣医師として働く方法①

    はじめに 著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務し、2022年現在、アメリカの獣医大学で救急集中治療(ECC)の専門医を目指してレジデントをしています。 この記事では、アメリカで獣医師として働くためにはどんな形があるかをご紹介します。アメリカで獣医師として働くことに興味がある方のための記事です。それぞれのポジションに必要になる資格なども合わせて解説します。 アメリカで獣医師として働く方法 日本人の獣医さんがアメリカで働く時に、準備が必要になる可能性のあるものは、移民ビザ、アメリカで通用する獣医師免許、州の免許、公式の英語試験のスコアです。 どのポジションで働くかによって、必要になるものが異なります。 大学病院で研修医になる 研修医には、インターンとレジデントのポジションがあります。アメリカの獣医大学の研修医について興味がある方はこちらの記事もご覧ください。 アメリカで研修医に申し込むために、基本的な必要なものは以下になります。 ビザは、アメリカにとって外国人である私の様な人には大きな問題になります。すべてのアメリカ獣医大学が外国人にビザを発給してくれるわけではありません。 外国人にビザを提供している大学を探し、採用される必要があります。昔と比べると、ビザを発行する大学が減っている様です。さらに、2020年に爆発的に流行したコロナの影響を受け、多くの大学が外国人を取らない方針に変えた、というのが2021年の現状です。 学生ビザ(F1ビザ)を使ってアメリカに滞在する場合、大学に入学する形になるので、英語のスコアを提出する必要があります。場所によっては免除されることもあるので、これがないと絶対に働けないというわけではないかもしれません。 就労ビザ(H1Bビザ)は普通の大学では研修医には発行されません。普通はH1Bが発行されるのは、最低でも所得が約90,000ドル以上ある必要があります。しかし、特殊な学校で例外がある様です。 マッチングに関しては別記事でガッツリと説明しているのでこちらもご覧ください。 Veterinary State board(州のライセンス) Veterinary State boardとは、州で働くライセンスになります。獣医学の知識だけではなく州の法律について理解しているかを調べるための試験のことです。必要ない州もあり、難易度も様々です。オープンブック、解答用紙をメールするだけのところもあれば、きっちりテストされるところもあります。 このライセンスに関しては、ポジションが決まり働く直前に取得すればいいので、基本的には心配する必要はありません。採用が決まってしまえば、この試験に落ちても採用が取り消されるということは、まずないはずです。 以下、AVMAのホームページから各州の情報リンク一覧にアクセスできます。 https://www.avma.org/advocacy/state-and-local-advocacy/veterinary-state-board-websites 専門医を取得後、大学病院でファカルティとして働く アメリカ獣医大学病院でファカルティとして働くには以下が必要になります。 専門医を取得してしまえば、大学ではアメリカの獣医ライセンスがなくても働くことができます。「専門医」として働くので、専門外の獣医医療行為をすることはできません。 ビザに関しては、専門医の資格があれば大学のファカルティとしては取りやすくなります。研修医として外国人にビザを発行しない大学でも、ファカルティには発行することが一般的です。 H1ビザというビザは、ある程度の所得(2022年現在90,000ドル)がある人のみに適応されるビザですが、専門医になればH1ビザが適応されるだけのお給料がもらえることが多いそうです。 一般病院(private practice)で働く 大学の外で獣医として働くには、ビザに加え、アメリカで働ける獣医師資格、アメリカの国家資格、及び州のライセンスが必要になります。 一般病院で勤める場合、病院からビザのサポートをしてもらう必要があります。就労ビザかグリーンカードになります。上記の2-4を取得していたとしても、働きたい病院からビザの発行がサポートされないということもあります。 すでにスタッフと顔見知りでビザをサポートしてでも採用したい、と言う要望を得るか、もしくは、アメリカの獣医大学での研修医として経験があると、外国人として一般病院で働くのに有利に働きます。 アメリカのライセンスを取得するには、ECFVGかPAVEのどちらかの方法を選びます。 ECFVGは4つのステップからなる試験で、獣医大学卒業の証明、英語、筆記、実技試験をクリアすると取得できます。申し込み、それぞれの試験に費用がかかり、すべてクリアするのに100万円くらい必要になります。 PAVEとは、実技試験を回避するための別の方法で、アメリカの獣医4年生に混ざって、1年間の臨床のプログラムに参加します。臨床トレーニングを終えれば、実技の試験は必要ありません。このプログラムに参加するためにかかる費用は州外の学生の1年分の学費と同様になります。1年間で、約1000万円(州外からの獣医学生と同じ学費に加え、1年間のアメリカでの生活費が必要)ほどかかるそうです。 ECFVGを取得しただけでは、アメリカの一般病院で働くことはできません。次のステップとして(同時にもできますが)、アメリカの国家試験であるNAVLE(ナブリ)を取得する必要があります。 NAVLEはアメリカ出身の獣医学生も必要になるライセンスです。日本の獣医国家試験のようなものと思ってもらえたらいいと思います。出題範囲は法律から大動物、魚まで、幅広いです。この試験費用は7万円ほど。11月と4月の年に2回チャンスがあります。 フェローシップ フェローシップとは、大学内で自分の好きな分野を研究したり研究したりできるポジションです。お給料は出ても少額のことが多いです。ビザを発給してくれるところもあれば、自分でビザを取得しないといけないところもあります。 自分でビザを取得するには一般的にはOPT(Optional Practical Training)というビザが必要です。 F1の学生ビザで1年間就学していると、翌年のアメリカでの滞在及び就労の延長ができるのがOPTです。この場合、滞在先の施設がビザを発給してくれなくても、OPTのビザで最長1年滞在することができます。以下のサイトがわかりやすくOPTを説明しているのでご参考にしてください。 学生が専攻した分野と関連のある職種で、企業研修を行うことができるビザです。私の知り合いのインターンは、ローテーティングインターンを別の大学で行い、ECCのスペシャリティインターンをOPTを使って過ごしていました。 マスタープログラムに参加する お給料は出ませんが、大学のマスターというポジションで学生をするというのも、アメリカに滞在するための一つの手段になります。大学にコネクションがある場合はこのようなポジションがないかを確認するのもいいかもしれません。2年間学生ビザで滞在できることになります。 私の友達は、アメリカで研修医をするために、2年間マスターとして動物病院に出入りして経験を積んだそうです。 アメリカで無給のなか生活する資金がある場合はこの選択肢もありかもしれません。マスターを2年間した後は、OPTで1年間滞在するビザが獲得できます。さらに、OPT extensionといって、1年間の滞在を最長3年まで伸ばすことができる場合もあります。 これを使えば、ビザを発給してくれない施設への応募が可能になります。 まとめ

  • 【アメリカでペットと暮らす方へ】かかりつけ動物病院のおすすめな探し方!

    【アメリカでペットと暮らす方へ】かかりつけ動物病院のおすすめな探し方!

    この記事の内容 かかりつけ病院の選び方 担当獣医さんの選び方 実際に病院へ行ってみましょう まとめ 私は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。ペットと一緒にアメリカに移住してきた、もしくはアメリカでペットを飼っている方には、かかりつけ病院と担当の獣医さんをつくることを強くお勧めします。この記事では、実際にかかりつけ病院をどのように選ぶか、どう活用するか、をご紹介します。 [read_more id=#8221;1#8243; more=#8221;Read more#8221; less=#8221;Read less#8221;] かかりつけ病院の選び方 大きなジャンル 大学病院に併設するコミュニティプラクティス(この施設に関してはこちらを参照) プライベートの動物病院の二次施設 一般の動物病院 上記二つは、専門医が働く専門科を持つ大きな病院になります。メリットは、何か異常があったときの精密検査などのトランスファーが円滑に進むことが特徴です。 デメリットとしては勤務している獣医師が多いところは大抵すごく忙しいです。指名ができず、様々な先生が診察することになりかねません。また、忙しくて長時間の相談などがしにくい可能性もあります。そして待ち時間が一般の動物病院より長いことが多いです。 一方、一般の動物病院は何か異常があった時、検査機器などに限界があるので、詳しい検査が必要な時には二次病院に紹介することになります。同じ病院内でできないので、一度退院して、大きな病院に移動しなければなりません。これは一つのデメリットですが、メリットとしては、獣医師との信頼関係が築きやすいということです。 一般病院で予約制のところは大抵1症例あたりの枠が決まっているとは思いますが、より信頼関係を築き安い環境だと言えます。 賢いやり方だな、と思ったのは、基本的には一般病院に通っていて、病態が不安定になったり心配なことがあったら大学病院の専門科で予約を取る、ということを徹底していた方がいらっしゃいました。この場合、一般病院のかかりつけの先生だけでなく、専門科の先生ともかかりつけの先生を介して信頼関係を築くことができます。 病院の選び方 非常に難しい問題ですが、物知りで有名な獣医さんがいる病院が必ずしもいい病院なわけではありません。やはり、獣医さん以外のスタッフを含めた動物病院全体をみて決めることが重要です。 また、動物病院で働いていると、強く思いますが、スタッフ、特に看護師さんは1度患者さんをみただけでも、すごくよく覚えています。この能力は本当にすごいと思います。「この子はフードアレルギーだったよね」「皮膚病よくなってるね」「この子は男の人が苦手なのよね」など、細かいことまでちゃんと覚えていてくれるスタッフがたくさんいます。 そういいったスタッフの細かい気配りだったり、病院の雰囲気だったりも病院選びに非常に重要な点になると思います。 担当獣医師さんの選び方 かかりつけ病院の選び方は、おそらく日本と同じたと思いますが、担当の先生をどれだけ信頼できるかで選ぶのがいいかと思います。 ここまで読んでがっかりされる方もいらっしゃるかもしれませんが、最高の担当獣医さんを決めるマジックは存在しません。本当に信頼できる口コミもありません。 ある人が素晴らしいと評価した病院も、別の人からは、二度と行きたくないひどい病院と言われているかもしれないからです。口コミは口コミとして一つの情報として捉えましょう。 私の意見としては、飼い主さんにとっていい獣医さんとは、全ての可能性をわかりやすく提示した上で、ご家族の意向に沿ったプランを示してくれる存在だと思っています。もちろん、飼い主さんによっては、全部説明してくれなくていいからベストだと思うことを全部やってくれ、と言われる方もいらっしゃいます。もしくは、全部の可能性を把握したいという方もいらっしゃいます。 それも踏まえて、飼い主さんに合わせた説明、プランニングができる獣医さんがいい獣医さんなのではないかと思っています。 獣医さんのスキルや知識を診察中に評価することはできません。結局どんなふうにコミュニケーションをとるか、というところに着目してしまいがちです。私のお勧めは、以下の点を実際に健康診断などで、行ってみて、評価してみることです。 信頼できるか 話しやすいか 英語は聞き取りやすいか 家族の特別な状況を理解してくれるか 時間を使って真摯に相談に乗ってくれるか 説明はわかりやすいか 二次病院に快く紹介してくれるか ペットは拒絶していないか 一般病院の先生は、基本的にオーナーさんとの信頼関係の構築をすごく重視しています。合わないと思ったら我慢せずに、先生を変える、病院を変える、などの手をとってもいいと思います。 実際に病院へ行ってみましょう やはりいくら評判がいい動物病院でも、実際に相性が合うかどうかは行ってみないとわかりません。 初めに行く病院は口コミでも、最寄りの動物病院でもいいと思います。ペットが健康な場合は病院や獣医さんを見定めに行くつもりで、診察に行くといいかもしれません。 基本的には予約が必要になるので、appointmentを取りたいと伝えると大抵同じ週で予約を入れてくれます。その時に、日本から越して来たこと、もしくは新しく飼い始めたことを伝えてください。身体検査や毎年必要な健康診断は英語でannual check up, anual examと言います。 予約なしで直接病院に行く、walk-inが可能な病院もありますが、予約の隙間を見て診察する形になるので待ち時間が長くなることがあります。また、予約無しにはできない検査もあるかもしれないので、事前に連絡をすることをおすすめします。 診察の前の準備 診察時後にもらう書類 (Discharge summary/Medical…

  • 【アメリカでペットと暮らす方へ】大学病院のコミュニティプラクティスと一般病院の違いとは

    【アメリカでペットと暮らす方へ】大学病院のコミュニティプラクティスと一般病院の違いとは

    この記事の内容 コミュニティプラクティスとは コミュニティプラクティスと一般病院の違い まとめ 著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。ペットと一緒にアメリカで暮らしている方に向けに情報を発信していきます。 この記事では、Community Practice(大学病院の中の一般診療科)とは何か、地域の一般病院とは何が違うのか、ということをご紹介していきます。個人的には、アクセスがよければ、コミュニティプラクティスはかかりつけ病院としてすごくお勧めです。かかりつけ動物病院をお探しの方で、大学病院が近くにある方はコミュニティプラクティスも候補に入てみることをお勧めします。 [read_more id=#8221;1#8243; more=#8221;Read more#8221; less=#8221;Read less#8221;] コミュニティプラクティスとは 多くの大学病院にはCommunity Practice(CPと略されます)と呼ばれる、予防や一般診療を行う病院が併設しています。他の専門科と同様に、大学の一つのサービス(科)として確立されています。 コミュニティプラクティスのコンセプトとしては、welness(福祉)のためにできることをサポートする、ということになります。基本的に複雑な病気の診断などは行いません。主な役割は以下になります。 健康なペットの予防 健康診断 生活習慣の指導 しつけの指導 病気が安定している場合の定期チェック バンデージの交換 スケーリング、抜歯 などが主な役割です。 大学病院の「神経科」「循環器科」などと違い、コミュニティプラクティスには専門医がいません。一般の診察をする獣医師が勤務しています。彼らの仕事は、広く浅く、飼い主さんとの信頼関係を築き、ペットのQOL(生活の質)を保つための手助けをすることです。 なので、上記に挙げたような、生活習慣の指導、例えばフードや、予防薬、サプリメントの知識や、しつけ、新しいペットの導入の知識は専門医よりはるかに上です。 Annual checkと言って、1年に1度の身体検査、ワクチン、その他予防がメインになります。また、一般の病院と同様、緊急や重症ではないけれど、ここが気になる、という心配事を相談して、必要に応じて検査、治療を行います。例えば、皮膚を痒がってる、最近飲水量が増えてる、CKD(慢性腎不全)、関節炎の定期チェックなどです。 例えるならば、人のホームドクターと同じです。 コミュニティプラクティスに専門医はいませんが、強いて言えば、歯科がすごく得意な先生がいることがあります。多くの大学病院には、「歯科」というスペシャリティがありません。(なぜなら、歯科専門医になるのは実はめちゃめちゃ難しいからです)なので、スケーリングや抜歯(歯を抜く処置)といった歯の処置をコミュニティプラクティスが担っているという大学は少なくありません。 コミュニティプラクティスと一般病院の違い 大学病院のCPと地域の一般病院(general practice: 略してGP)との違いは大きく以下の2点になります。基本的に一般診療は費用面で大きく変わることはないと思いますが、大学では学生割引、社員割引、ハンディキャップ割引などがあるので、確認してみるといいですね。 teaching hospitalであるため、学生や研修医の教育要素が含まれている 最初のコミュニケーション、つまり問診などは学生が行います。 資格のあるドクターが常に学生をサポートして、最終的にはドクターと直接コミュニケーション取ることになります。 同じ説明を学生、ドクターに何度もしないといけない可能性があります。 スペシャリストの意見を得やすい 複雑な病気が見つかった場合などは、内科で詳しく検査、外科で手術が必要、神経科でMRIが必要などと他の科のサポートが必要になります。 同じ病院なので、検査結果やデータがすべて記録され、ドクター同士のコミュニケーションも円滑に進むことが多いです。 私がCPで働いた経験上、CPの先生方は基本的にオーナーさんに対して、まさに神対応です。常に学生のお手本となって来た先生方たちなので、本当に素晴らしいコミュニケーション能力だな、と関心しました。オーナーさんも、担当医の先生が本当に大好きな人が多いです。 診察にかかるコストの比較は以下になります。 健康診断、予防(ペットが元気な場合):コミュニティプラクティス=アメリカの一般病院=日本の相場 ペットが病気になった時:アメリカの大学病院gt;アメリカの一般病院gt;日本の相場 ※日本でも病院によって費用は大きく異なるので、例外もあります。 予防や健康診断にかかる費用は日本の病院と同じくらいです。ワクチンに関してはアメリカの方が安いです。狂犬病、混合ワクチンは1年でそれぞれ20ドルもかかりません。(診察料は別) ペットが病気になった場合、アメリカの獣医医療にかかる費用はアメリカの2-3倍以上になります。日本の獣医療はアメリカと比べると驚くほど安いです。 予防に徹すること、病気を早期発見すること、が最も重要だと思います。 まとめ コミュニティプラクティスはかかりつけ動物病院としては手堅い いざペットが病気になったときに専門医へのアクセスがいい 予防、健康診断の費用は一般病院とおおよそ同じくらい…

  • アメリカ獣医大学で感心したこと/テクノロジー編

    アメリカ獣医大学で感心したこと/テクノロジー編

    はじめに 著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、現在アメリカの大学で獣医救急集中治療(ECC)専門医になるためのレジデント(研修医)をしています。 この記事では、大きな二次病院ならではの、画期的な病院のシステムをご紹介します。大きな病院内でのコミュニケーションの取り方、検査の回し方、入院管理など、今まで日本では経験したことのないことばかりだったので、この記事でシェアしたいと思いました。 病院内でのコミュニケーション 一次病院に比べると、アメリカの獣医大学病院は病院の箱が大きく、常に連絡が取れるためのツールが必要になります。今まで働いたことのある、3つの大学病院でそれぞれコミュニケーション方法が異なっていたので、ご紹介していきます。 1年目の病院では、研修医にiPhoneが貸し出しされました。そして、ワークフォンと呼ばれる仕事用のiPhoneを用いて、コミュニケーションツールであるMicrosoft Teams(後述)というアプリが用いられていました。そして飼い主さんとの電話は、ワークフォンを用います。 2年目の病院でもiPhoneが研修医にiPhoneが貸し出しされました。Microsoft Teamsは使われていなかったため、基本的にコミュニケーションはテキスト、電話、メールでした。 3年目の病院では、iPhoneの支給はなく、自分の携帯からMicrosoft Teamsをダウンロードしてコミュニケーションをとるというシステムでした。仕事用携帯がないので、病院内の電話であれば自分の携帯から。オフィスには一人1台固定電話があるので、飼い主さんへの電話は固定電話を用います。 Microsoft Teamsとは Microsoft Teamsとは、業務に必要なあらゆるリソースと繋がったチャットツールです。このアプリでできることは、チャット、掲示板、通話、ビデオ通話、ファイルの共有、などです。 病院内の関係者、学生、看護師さん含め全ての人がアカウントを持っており、誰とでも個人的にチャットが可能です。グループを作ることで、2週間ごとに入れ替わる学生の間でグループチャットができる様にもなります。 そして、掲示板の機能を使うと、例えばエマージェンシーに患者さんが来院するという情報が入った時に、受付のスタッフがエマージェンシー科の掲示板に、患者さんの情報を貼り付けます。その患者さんのスレッドができることになるので、患者さんが実際に来院した時に掲示板を使って知らせることができる様になります。 また、獣医師からフロントへ、飼い主さんから内金をXXXドル受け取って欲しい、というコミュニケーションも同様のスレッドを用いて行うことができます。 そして、チームの掲示板では、ファイルを共有することができます。例えば、ECCで学生に共有したい論文や写真があればPDF, JPEGを添付することもできます。Google spread sheetを用いて、研修医やファカルティのスケジュール管理も行えるのです。 ビデオチャットによって、複数人が参加するオリエンテーションを行うこともできます。 大学自体が広いので、全てのコミュニケーションを歩き回って直接尋ねているわけにはいきません。この様な情報交換のプラットフォームがあることで、病院での診察が円滑になります。 アメリカの獣医大学のすごいテクノロジー 入院患者さんへの薬の処方 入院患者さんへの薬の処方をするときに、日本で見たことがなかったシステムに驚きました。外来患者さんへの薬の処方と違い、入院患者さんには、注射液何mlとってすぐに投薬することが多いため、処方が記録されなかったり、お会計に反映されないという事故が起こりやすいです。 麻薬指定の薬に関してこの様なことが起こると、深刻な自体に発展します。この様なことが起こらない様に、ICUの部屋には、CUBEXやOmnicellといった、電子カルテと繋がっている薬を収納する機械があります。 これらの機械は、獣医師及び特定のテクニシャンそして薬局スタッフのみが触れるもので、誰が何時に使用したかが全て記載されます。また、麻薬指定の薬を取り扱うため、監視カメラも設置されています。 電子カルテの情報とつながっているため、患者さんのアカウントから、薬を取り出すことができます。薬を取り出すと、自動的にカルテに処方が入り、お会計にも反映されることになります。 この様なシステムによって、麻薬指定の薬の残量が合わない、といったことが起こらない様に管理されています。 病院内は、パソコン必須 私が数年前visitingでとある大学を見学した時(2015年)に、まず初めに驚いたのは学生全員がパソコンで授業のノートをとっていたことでした。今でこそ日本でも多くの学生がパソコンでノートをとるようになってきていますが、当時の私にとってはすごいことでした。 パソコン持っていない人、パソコンができない人はどうするんだろう、と思っていましたが、1年目に研修医をした大学では、最初に指定のパソコンを買わされるそうです。パソコンの充電がなくなった、壊れた、などのアクシデントが起ころうものなら、一大事です。 病院内には、ITサービスがあり、全てのITをコントロールしています。大学の電子カルテの不具合や、電話、ネットワークの不具合が起こったときに機能します。Teamsもたまにうまく動かなくなることがありますが、ITに相談することで解決します。 個人のパソコンが壊れた場合でも対応してもらえます。病院内にテクノロジー科があるのは驚きでしたが、確かに今思えば忙しい獣医さんがそんなことまで管理していられないので、分業化されていることはとても効率的です。 電子カルテ 病院内では、電子カルテで全ての作業が行われるため、アクセスできないと何もできなくなってしまいます。血液検査のリクエストをしたり、レントゲンや超音波の予約を入れたり、検査結果を確認したりするのも、全て電子カルテが必要になります。 1年目に働いていた動物病院の電子カルテ、VetViewは非常に便利で、全ての患者情報は瞬時に検索でき、とても使いやすかったです。たまに電子カルテの点検があり、数時間程度、機能しなくなるのですが、そうなるとレントゲンや血液検査のリクエストができなくなったり、薬が処方できなかったり、と一緒に病院の動きも止まります。 また、入院カルテに関しては、たくさんの大学がこのシステムを使用し始めています。とても使い心地のいいものです。 電子カルテに関してはこちらの記事でもうすこし詳しく書いているので、こちらも合わせてご覧ください。 手術動画 また、学生は全ての手術動画にアクセスできます。外科にローテーティングしている学生は、患者さんの担当になったら手術室に入れますが、手術室に全員入れるわけではないので、その時はLIVEのビデオがラウンドルームで流されて、オンタイムで手術が見れるようになっています。 もちろん録画されているので、この手術でどんなことが起こったのか、何をしたのかなどを確認したければ自分の家からでもみることができます。 コロナの時期の授業は全てZOOM 2020年コロナの時期、学生は病院、教室にいかれなかったため、全ての授業はズームで行われていました。授業だけでなく、普段は小さな教室で対面で行われているラウンドも、ZOOMで行われ、麻酔科であれば自分の症例がある時以外は、自宅待機というかたちでした。 画像科のラウンドでも、ZOOMのコントロール権利を他者に譲る、という機能を用いて学生にレントゲン所見を答えさせてfacultyが解説する、という形をとっていました。 試験はどうするのか、というと、これも自宅から遠隔試験になります。カンニングチェックもカメラ内で疑わしい動きをしていないか、厳しくチェックされた様です。 オンライン上のクラウドは学習リソースの宝庫 学習に必要な教材は、クラウド上で全ての学生に共有されていて、各科で必要な教材がまとめられています。 専門医や研修医がそれらの教材や参考文献などをまとめているので、学生は自分のケースに関連した資料をそこから集めることもできれば、先生にリクエストすることで教材をアップロードしてもらうことも可能です。 アメリカの大学では、教材を出し惜しみなくみんなシェアしてくれます。そして、シェアするためのツールも整っているので、やる気があればあるほどいろんなことを学べます。 非常にやる気のある学生がローテーションでもいるので、私も学生に負けないように、モチベーションも常にキープされます。 まとめ この記事では、アメリカの獣医大学で働きはじめて、感心したことをご紹介しました。日本の1つの病院で働いていたら、知ることもなかった世界が見られるというのも、アメリカ留学の醍醐味でもあります。世界観が広がります。興味がある方は、ぜひビジティングからでも体験してみることをお勧めします。

  • 渡米前の英語の準備④おすすめオンライン英会話勉強法/アメリカ獣医大学で働く

    渡米前の英語の準備④おすすめオンライン英会話勉強法/アメリカ獣医大学で働く

    はじめに 私は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、2021年現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。 アメリカで働き始めてから1年が経ったので、日本での英語勉強を振り返ってみようと思いました。日本で準備したことがどれだけ使えているかを振り返りながら、もう一度準備段階に戻るならこれを勉強していたな、と思うおすすめの勉強方法をまとめていきます。この記事は、オンライン英会話勉強法のまとめになります。 この記事で以下の様な疑問をお持ちの方が対象になります。 値段が安いオンライン英会話、授業の質は? 安いオンライン英会話でも有意義! オンライン英会話は、自分が恥ずかしいなと思う英語でも聞てくれる人の時間を買うものだと思っています。極端に言うと、自分が喋ることなので、相槌をしてくれるだけでも、笑顔で見守ってくれるだけでも、ひとまずそれでいいのです! 大事なのは、自分が話の中心になること。英語の先生のゆっくり、はっきりと英語を喋ってくれるので、良くも悪くも、たくさん聞いても実際の現場を想定したリスニングのトレーニングにはなりません。オンライン英会話は、お金を払って自分の英語を聞いてもらう実践の場として自分で作り上げることが大事だと思います。 そして、良い先生に出会えたらフィードバックがもらえます。どんなに恥ずかしい間違いをしても大丈夫です。実際の現場で間違うよりも、練習しているうちにどんどん間違えましょう。 習得したフレーズを必ず試し、自分のものにするために何回も使ってみるようにしましょう。相手方に話す隙を与えないくらいたくさん自分の話をしましょう。 私は、アメリカにくる2-3ヶ月前は、Weblio英会話をやっていました。ここに決めた理由は、非常にリーズナブルな価格で、無料体験で指名した先生に教わりたいと思ったからです。私は無料体験の後にすぐに入会を決意、その後、アメリカに来るまで毎日同じ先生に教わっていました。 その時学んだことは今でもすごく覚えているし、いい勉強法だったな、と我ながら今でも思います。 オンライン英会話授業の質と、価格は関係ない オンライン英会話を始める目的が英会話力を向上させること、仕事でアメリカに行った時に使える英語を学ぶことであれば、正直、費用、先生や会社などは、関係ないと思います。 自分がやりたい理想の授業を実現してくれるか先生かどうかが一番重要なことです。 良い英会話教室を探すのではなく、自分にあった良い先生を探す ネイティブが良いの?経験豊富な先生が良いの?といった先生選びに関してですが、確かに値段がいい英会話教室の先生は、資格を持っていたり、英語を教えている歴が長かったりします。しかし、それとその先生との相性が合うかどうかは、別の話です。10回程お試ししても、相性の良い先生に出会えない場合もあれば、私のように体験入学してから2-3ヶ月間ずっと指名し続けたくなるような先生に出会えることもあります。 なので、英会話教室の値段や先生たちがクリアしている基準で選ぶというよりは、自分にあった相性の良い先生を探して、そこから英会話レッスンを続けていけば良いのではないでしょうか。 授業の質は自分で作る それぞれのオンライン英会話教室ではカリキュラムのようなものがあり、それに従ってやっていくことも、フリースタイルでやっていくこともできます。 私がどんな方法をお勧めするかこの先に書いていきますが、オンライン英会話ではいい授業を作るのは先生ではなく自分自身です。自分がどのように英語の練習をしていきたいかを始める前に明確にしていくことがとても重要だと思います。 オンライン英会話を有効活用する方法まとめました 私は、今までにDMM、マイチューター、weblio英会話を利用したことがあります。選んだ理由は、リーズナブルな価格です(大学生だったのでお金がありませんでした)。 私的には、どの教室もシステム的にも大差は感じませんでした。あの先生がいたからここがよかったな、というイメージの方が強いです。 お気に入りの講師を1-2人見つける 入会したらお気に入りの講師、そしてできれば自分の進む分野に詳しい講師(私の場合は医療系に詳しい)を見つけてください。他業種の方や毎回違う方と話をしても、時間制限があるため、毎回自己紹介や趣味を聞いて終わってしまうことになりがちだからです。 私は、オンライン英会話で、看護師さん、元看護師さん、医学生などを見つけて同じ人をひたすら指名するようにしていました。もちろん分野に詳しくても相性はあるので、好きな人を見つけることがすごく重要です。 必ず目的を持って授業に臨む 目的なく話をしていても、やった気になってしまうだけであんまり意味がありません。必ず目的を持って望むことです。これがやりたい、というイメージがあることで、良い先生を見つけやすくもなります。 限られた時間の中で何をしたいか提案する まず最初にこうゆう風に英会話を勉強したいです、と提案します。何がしたいかわからない方は、この記事の私の例を参考にしてみてください。1回目の授業で私の考えた質問に先生がどう答えてくれるかで、その先生との相性が良さそうかの判断材料にしていました。 そして、個人的には、次回までに教材探してみるから、次回はこんなことしようか、などの提案をしてくれる先生は、良い先生だな、と思いました。 基本オンライン英会話は、1授業25分くらいかと思います。25分だと、『今日は何してた?』、『今そっちは何時?』、『天気はどう?』などと話しているうちにあっという間に過ぎてしまいます。いきなり本題に入ることも大事だとは思いますが、私は1日に何授業も連続で入れて喋り疲れるようになるまでやるようにしていました。 私がどうオンライン英会話を活用したか 私は、Weblio英会話で元看護師さんのフィリピン人の先生と毎日2-3時間していました。 何をしていたかというと、ペットの診察のロールプレイングです。いろんなシチュエーションを自分で授業前に考えて、今日はこのテーマでお願いします。という形でやっていきました。 さすが、看護師経験がある先生だったので、どんなオーナーさん(患者さん)でもその役をこなして、演じれるバリエーションがたくさんありました。 授業の流れとしては、 という形でやっていました。ネタが尽きたことはなかったと思いますが、もしアイディアが浮かばなくなったら、アメリカでよく遭遇する交通事故にあってしまったペット、胃拡張胃捻転疑いの犬などのオーナーさんへのインフォームといった、実際にありそうな状況演じてもらってもいいと思います。 これは、私的に本当にいい勉強になりました。自分がこれをアメリカでできるようにならないといけないんだ、という緊張感、リアルに思い浮かべられる情景、今のうちに先生のアドバイスを貰わなければ、というあせりで、モチベーションが落ちることなく最後まで全力で授業に臨むことができました。 まとめ

  • 渡米前の英語の準備③お勧めコンテンツ/アメリカ獣医大学で働く

    渡米前の英語の準備③お勧めコンテンツ/アメリカ獣医大学で働く

    はじめに 私は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、2021年現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。 アメリカで働き始めてから1年が経ったので、日本での英語勉強を振り返ってみようと思いました。日本で準備したことがどれだけ使えているかを振り返りながら、もう一度準備段階に戻るならこれを勉強していたな、と思うおすすめの勉強方法をまとめていきます。この記事は、お勧めコンテンツのまとめになります。 動画コンテンツを紹介する前に Netflixを最大限に活用できるように、素晴らしい機能をご紹介します。この方法は後に出てくる「ニックの英会話」というYouTubeの動画で紹介されていて、実際に取り入れてみたらびっくりするほど有用だったので、こちらでご紹介します。 この動画を見ていただけたら完結する話ですが、ざっくりいうとGoogle Chromの拡張機能を使ってネットフリックスを見ると、サブタイトルが以下のように表示され、単語をクリックするだけで発音の読み上げと日本語訳をしてくれるという、素晴らしい機能です。 また、セリフをセンテンスごとに巻き戻すことができるので、何度も同じ言葉を繰り返し聞くことができます。5秒巻き戻しして余分な部分を繰り返し聞く無駄がありません。 こちらの動画で細かく説明があるのでぜひ見てみてください。全て無料です。 また、南谷三世さんの本、「海外ドラマDVD英語学習法」という本は海外ドラマを見始める前に一読しておくと、海外ドラマからどのようにして英語を学習できるかの心得が理解できます。 この本が書かれた頃には、Netflixがまだ普及していなかったため、DVDで勉強する、と言うテーマですが、Netflixを掛け合わせることでさらに効率よく勉強できること間違いなしです。 Netflixおすすめ FRIENDS アメリカのドラマで1,2を争うくらい私の大好きなドラマです。1エピソード約30分なので、長さ的にちょうど良く、100エピソード以上あるので勉強するのにぴったりです。さらに、南谷三世さんのブログで英語の解説が載っているので併用しながら勉強することをお勧めします。 Gray#8217;s Anatomy 医療英語を学ぶのにはとても良い勉強になります。そして、実際に臨床現場で働くときのイメージトレーニングになること間違いなしです。特に、主人公のメレデスがそこまで早口ではないので、リスニングの良い練習になります。 ER Gray#8217;s Anatomy同様、医療英語を学ぶのに最適な内容です。 また、アメリカの日常会話のスピードがしんどい場合は、日本のアニメを英語翻訳で見る、というのもお勧めです。私はアメリカで、日本のアニメが好きなアメリカ人と一緒に、ヴァイオレットエバーガーデンを英語で楽しみました。英語の速度がゆっくりなのと、はっきり話てくれるので、初級編としてお勧めです。 YouTubeおすすめ 余談ですが、私はYouTubeのプレミアム会員に入っています。1年ほど使いましたが、アメリカでの生活をしていると、日本からのほとんどの情報はYouTubeからになるので、すごく満足しています。 広告がないことと、オフライン再生ができることで快適に視聴することができています。 ここかあらはお勧めYouTubeチャンネルです。 ニックの英会話 英語学習のYouTubeはたくさんありますが、私が最もいいと思った動画はニックの英会話です。英語学習に便利な情報だけでなく、「この英語、聞き取れるかな?」ではたくさんの海外ドラマのリスニングやネイティブの発音を解説してくれています。 上記のYouEnGlishもBookmarkに登録し、いつでも使えるようにしています。 Hapa 英会話 英語学習者には王道の動画かもしれません。Hapa英会話は、フレーズを学習するのに利用しました。微妙なニュアンスだったりを解説してくれているので、痒いところに手が届くような、そんな動画がたくさんあります。 Learn English With TV Series Learn English With TV Seriesは、英語を英語で学習するための動画です。どんな英語も、ジョークも、わかりやすく解説してくれるといったものです。初めてみた時には、動画のクオリティの高さに驚きました。本当に全部無料で見れるの?と疑いたくなるような動画です。ディズニーやフレンズ、最新の映画をソースにコンテンツを作ってくれているので、非常に便利です。 アメリカにいる今でも、バックグラウンドで流し見しています。 Osmosis(浸透) この動画は、医学用語などをわかりやすくイラストを用いてまとめてくれています。可愛らしいイラストと、聞き取りやすい英語が好きで、医学用語を勉強する助けとして活用しました。全てのコンテンツを見るには課金が必要なところが惜しいです。 私は日本で英語を勉強していたときは課金して動画を視聴していました。すごくいい動画なので、課金する価値はあるかもしれません。 ICU advantage Osmosisに似ていますが、もっとICUよりです。いざアメリカで働き出すと、学生に説明するという使命があるので、この動画から使える単語や表現を盗んでくる、という使い方をしていました。 Ninja Nerd Ninja Nerdは、主に生理学をホワイトボードを使ってわかりやすく説明してくれています。生理学から戻って勉強しなければ!と言うときに、教科書を開けるよりも先にこのYouTubeで検索する様にしています。本よりも内容がすっと入ってくるからです。 atdove.org アメリカのテクニシャンが作っている動画です。アメリカで働き出すと、学生に留置の入れ方や、カテーテルの入れ方などを説明しなくてはいけません。実践してみせながら、言葉で説明してあげないといけないので、このような動画で予習しました。 このテクニシャンが使っている、「簡単だけどなかなか口に出せない単語」例えば留置を進める、というfeedやadvanceなどをピックアップして学びました。…

  • 渡米前の英語の準備②私の勉強法をご紹介します/アメリカ獣医大学で働く

    渡米前の英語の準備②私の勉強法をご紹介します/アメリカ獣医大学で働く

    はじめに 私は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、2021年現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。 アメリカで働き始めてから1年が経ったので、日本での英語勉強を振り返ってみようと思いました。日本で準備したことがどれだけ使えているかを振り返りながら、もう一度準備段階に戻るならこれを勉強していたな、と思うおすすめの勉強方法をまとめていきます。 日本での勉強方法 日本でやっておいて良かった、と思う勉強方法について説明していきたいと思います。 私は、日本でいろんな勉強方法を模索してきました。いろんな単語帳を買い、ノウハウ本を読み、オンライン英会話を試しました。 これだけやっても、日本で何年もかけて習得した英会話力は、アメリカにきてからの1年で習得した会話力には勝てないと思ってますが、その中でも、日本でやっておいて良かったなと思うことはもちろんあります。 それは、以下の通りです。 オンライン英会話 私はオンライン英会話で、看護師さん、元看護師さん、医学生などとコンタクトをとらせていただき、同じ人をひたすら指名するようにしていました。 そして、オンライン英会話で大事なことは、必ず目的を持って望むことです。 自分自身が会話の中心になることで、英語の先生のゆっくり、はっきりとした英語をいくら聞いていてもリスニングのトレーニングにはならないのです。オンライン英会話は、お金を払って自分の英語を聞いてもらう実践の場です。 私がどんなふうにオンライン英会話を活用していたかは③で詳しく書いていきたいと思います。 アメリカのドラマをひたすら見た 南谷 三世 さんという方の日本で、自宅で、一人で、ここまでできる! 海外ドラマDVD英語学習法 を読み、アメリカに行かなくてもできることってあるんだ!、と驚愕しました。南谷さんは、ブログでフレンズのフレーズ解説を1-10シーズンまでされていて、私はこれに感化されながらドラマからアメリカ生活の日常英会話に慣れる作業を繰り返しました。 南谷さんのこちらの本では、 こんなことをお話しされています。私は、この本で紹介されている勉強法に従って、フレンズを1-10シーズン見ました。 リスニングや雑談はいまだに自信がないのですが、これをするとアメリカ人がこんな感情の時にどんなリアクションをするかといったように、アメリカに行ったことがなくてもイメージできるようになるのです。 あとは、実際にアメリカに来てからも、『チャンドラー(フレンズのキャラクター)が、、、』と会話の中で出てきた時に一緒に笑えるのもすごく嬉しいです。 私は、結局いまだに見ていませんが、アメリカ人トークに付いて行こうとした時に、絶対に見ておいた方が映画があります。 それは、スターウォーズです。大半が熱狂的ファンです。知らなくて、置いていかれることが何回あったことか。日本で準備の時間がありあまっている方は、スターウォーズネタに乗り遅れない様にも、この映画を見ることをお勧めします。 カナダ人のおじいちゃんと週一回英会話 これは、誰でもができることではないかもしれませんが、一応ご紹介させていただきます。 私は、たまたま知り合いから、英語の先生をしているカナダ人のおじいちゃんを紹介してもらうことができたのです。旦那さんと3人で朝9時からスタバで英会話をして、お腹が減ってきたらカナダ人のおじいちゃんとランチを食べながら15時くらいに帰る、という6時間耐久英会話を毎週してもらっていました。 日本の公共の場で下手な英語を話すのは最初勇気が入りましたが、顔を合わせるたびに自然と話せるようになってきた実感はありました。 時間の制限なしに英語で話せる相手を作るというのは、英会話上達の強い助けになると思います。 獣医英単語・医学英単語 これも、日本にいるうちに専門用語を勉強しておくことで、アメリカにきた時に何にもわからない状態を避けることができます。専門用語さえなんとか理解していれば、病院で働いているとき、学生との会話、オーナーさんとの会話、メンターとの会話にはそんなに苦労しなくてすみます。 日本で使っていた獣医/医学英単語は、こちらの記事でご紹介しています。 まとめ 半ベソかいてオンライン英会話していた私でも、英会話ができなかった私でも、明確な目標さえあれば心折れずに、なんとかアメリカでやっていけているので、迷っているみなさんもぜひなんでもチャレンジしてみてください。

  • 渡米前の英語の準備①心の準備ができる日/アメリカ獣医大学で働く

    渡米前の英語の準備①心の準備ができる日/アメリカ獣医大学で働く

    はじめに  私は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、2021年現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。 アメリカで働き始めてから1年が経ったので、日本での英語勉強を振り返ってみようと思いました。日本で準備したことがどれだけ使えているかを振り返りながら、もう一度準備段階に戻るならこれを勉強していたな、と思うおすすめの勉強方法をまとめていきます。 実際1年間アメリカで働いて思うこと もちろん同僚やペットの飼い主さん、学生とのコミュニケーションはすべて英語ですが、毎日のように、日本で勉強してきた英語ってなんだったんだろう、とつくづく思います。今あの頃に戻れるとしたら、私だったらこんな勉強する!、というおすすめの方法をお伝えしていきたいと思います。 IELTS対策で勉強したことの大半は日常生活に役立たない 私は、アメリカの大学で勤務するためにIELTSかTOEFLEのスコアが必要だったため、それに向けた英語勉強が日本での英語学習の中心でした。点数が足りないと採用されても働けないと思い、毎日スコアを伸ばすことに必死でした。 もちろん、中学生レベルの単語を知らないと英語は話せませんので、ある程度の基礎学習は必要です。しかし、IELTSのために勉強した単語を今生かしているかと考えると、答えはノーだと思います。なぜなら、実際に使うには難しすぎるからです。 例えば、IELTSのリーディングセクション、私が覚えている限りでは、例えば船の話、マネージメントの話、樹脂の話です。アメリカの動物病院で働いている時、に船や樹脂の話をする時があるでしょうか。 もちろん、雑談に出てくることはあるかもしれません。もしくは、実際に私の経験で、船のプロペラで外傷を負った犬の問診を行ったことはありました。確率は、ゼロではないけれども高くはないのです。 このような重箱の隅を突くような勉強をしていくことは、臨床現場で話せる英語を習得していくのに決して効率が良いとは言えないのです。 そして何より悲しいことは、自分自身にとって興味が持てない話は、全く頭に入ってこないし、モチベーションも上がらないんです。だって将来自分が使ってるところがイメージできないんですもの。 生活で使っている単語は中学生レベル+α それでは、アメリカの動物病院での日常会話に必要なフレーズ、英単語とはなんなのでしょうか。 私は、アメリカに来たばかりの当時、喋っている時は、片言な話方をしていたと思います。とにかく一文一文を短く区切って、簡単にします。目的は、上手に話せるか、雑談で面白いことを言えるかではありません。必要な情報を伝えられるか、につきます。 使う文法はSV, SVOくらいです。そして、この文の前に、I would say, I just wanted to let you know, I was wonderingなどの型をつけるとそれらしくなっていくだけです。 よって、日本で英語の準備をする時に本当に必要なのは、難しい文法、単語ではなく、頻出の動詞(中学校レベル)および、あなたの生活にでよく使う単語になります。さらにフレーズ(+α)を使いこなせれば、大体の話したいことのニュアンスは、相手に伝わるのです。 日々少しずつ使えるフレーズを増やしていくことが大事 ここまで説明してきた通り、IELTS、TOEFLのための単語は日常でそこまで役に立ちません。難しすぎるし、アウトプットすることがないからです。とにかく大事な事は、頻出の動詞を使いこなしていくこと、フレーズを増やしていくことになると思います。頻出動詞は、徹底的に頭に叩き込み、使える状態にする必要があります。それは、知らないと話せないからです。 フレーズを自分のものにする、というのは、単語を一つずつ黙々と覚えていくのとは違い、情景を思い浮かべながら、どこで使うか、どんなニュアンスで使うか、想像力を働かせる必要があります。闇雲に覚えていくものでも、これだけ覚えたら大丈夫、という限界があるわけでもありません。 なので、日々、コツコツフレーズを自分のものにすることが大切です。 頻出の動詞は、そんなにたくさんありません。そして、頻出動詞にフォーカスした英単語本もたくさんあると思います。とにかく、瞬時に取り出せるように最もよく出し入れする脳の引き出しにいれる必要があります。なぜなら、英会話は、タイミングとスピード勝負なので、単語が思い出せずに、『あー…』、とか、『えーっと…』と考えている間に話の主導権を奪われてしまいます。 日本での心の準備 私は、英語が嫌いではなかったですが、英会話は本当にできなくて、日本にいた時の大きな悩みでした。実践あるのみ、と思い、毎日オンライン英会話をしていました。IELTSのスピーキングの練習をオンライン英会話で行った時は、話せないし、IELTSも伸び悩んでしまい、それがとても不安で、英会話中に半ベソをかいたこともあります。(笑) 皆さんの中には、日本である程度、英会話ができるようにならないとアメリカに行ったときに苦労すると思い、なかなか渡米の決心がつかない方もいるのではないかと思います。 私はどうかとういうと、当時すでに仕事も辞めて、数ヶ月後に渡米の予定が決まっていましたので、渡米が頓挫することがないで、毎日毎日その日が近づくにつれて、めちゃくちゃ不安になってました。 これでアメリカに行って、獣医師として働いて大丈夫なのか。追い出されないのか。苦労しないか。毎日すごく怖かったです。しかし、日本で焦ってストレスを抱えながら、死ぬ気でやったとしても、数日で英語力が伸びるものでもありません。 アメリカで1年過ごした今でも、うまく伝わってないこともあるし、相手が何言ってるかわからない時もあります。今でも成長段階です。なので日本で何日待っても心の準備ができる日なんて来ないんだなと今は思ってます。 心の準備ができるのを待つ必要はありません。 日本で吐くほど勉強しても、こちらにきて覚えてることはほんのわずかで、アメリカにきてからもっと効率よく吸収できるのです。 いろんなノウハウ本に書いてある、本当にそうなんだなと思うのは、実践あるのみ。みなさん、色々なことをおっしゃってますがが、これだけは本当に間違いありません。 まとめ この記事のまとめとしては、日本で英語の勉強を何時間しても、実際にアメリカで英語を話さない限り、心の準備ができる日が来ることはないと言うことです。実際にアメリカで1年間仕事をした今でも、自分の英語に自信があるわけではありません。 日本にいる間に大切なことは、アメリカに実際に到着したときに受けるショックを想像することだと思います。このイメージをしておくと、日本でどの様に備えるかを対策することができるからです。

  • 【アメリカでペットと暮らす方へ】猫の尿道閉塞を図でわかりやすく解説②

    【アメリカでペットと暮らす方へ】猫の尿道閉塞を図でわかりやすく解説②

    この記事の内容 猫の尿道閉塞とは 初期安定化 尿道閉塞後の内科治療 猫の尿道閉塞解除後の治療オプション 会陰尿道瘻形成術とは 会陰尿道瘻形成術に進むタイミングとは 役立つ英単語 まとめ 著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。この記事では、様々な猫の尿道閉塞についてご紹介します。尿路に何が起こっているか、どんな治療オプションにがあるかを図を用いてわかりやすく解説していきます。アメリカでご自身のペットにそのようなことが起こった時に、活用していただけたら幸いです。 【アメリカでペットと暮らす方へ】猫の尿道閉塞を図でわかりやすく解説①で前半を説明しました。後半は会陰尿道瘻形成術の詳しい説明からになります。 会陰尿道瘻形成術 会陰尿道瘻形成術とは、以下の図のように、手術で解剖学的に細い部分の尿道と陰茎を切り取って、太い尿道部と会陰をつなげると言った手術になります。 言い換えると、オス猫特有の、細くて湾曲する部分の尿道とペニスを切り取って、メス猫のような太くて短い尿道のように形成します。 手術の動画があったので、生々しくても大丈夫な方はご参照ください。 この手術によって、プラグの原因自体が解除されない場合でも、閉塞しにくい尿道に変えてしまうことができるのです。すごくいい手術ではありますが、もちろんメリットデメリットがあります。 メリット メリットは、尿道閉塞再発の可能性がグンと下がります。何度も尿道閉塞でエマージェンシーに駆け込んだ経験のある方にはこんなにありがたい手術はないかもしれません。 デメリット デメリットは合併症と感染リスクです。この手術は、尿道の粘膜と皮膚をつなぎ合わせる手術です。違う性質の上皮が完全にくっつくまでには時間がかかります。その間、組織がうまくくっつかずに、剥がれ落ちてしまうことを裂開と言いますが、裂開が生じた場合は再手術が必要になります。 また、肛門に非常に近い部分なので、手術部位の感染にも気をつけなければいけません。 最後に、解剖学的にメス猫の尿道を作り出すことで生じるデメリットがあります。膀胱と外界が近くなることで、感染が成立しやすくなることです。 メス猫の尿道の特徴は以下の通りです。 会陰尿道瘻形成術に進むタイミング タイミングは非常に難しいです。私が思う、ベストなシナリオを以下に紹介します。 尿道閉塞でエマージェンシーにいく 特発性膀胱炎と診断がつく 環境やストレス因子を取り除く全ての努力をする 尿道閉塞再発 初回同様、他に膀胱炎の原因となる基礎疾患がない 閉塞解除後、入院してそのまま手術 これはあくまで個人的な意見ですが、できる内科治療を行っても再発した場合、2度、3度繰り替えすから早いところ手術に進んだほうがいい、と思っています。 もちろん、上記で述べたように手術には一長一短があるので、なんでも間でもすぐに手術するべき、とは思いません。ですが、以下のような事例を最後にご紹介してこの記事を締めたいと思います。 尿道閉塞でエマージェンシーに来院 特発性膀胱炎と診断がつく 環境やストレス因子を取り除く全ての努力をする 尿道閉塞再発 手術の費用が許容できず、内科治療を続ける 結局2度、3度と尿道閉塞を繰り返し、手術代よりも高い治療費を払うことになる アメリカでは治療費がすごく高いので、大学病院で尿道閉塞の治療をすると、退院までにかかる費用は10万円以上はかかります。入院が伸びれば、20万円くらいいくことも平気であります。 思い切って手術に進んでしまったほうがいい時もありますが、やはり患者さんそれぞれ違うので、担当の獣医さんとよくご相談の上方針を決めるようにしてください。 役立つ英単語 surgery: 外科手術 perineum: 会陰 plasty: 形成術 perineal urethrostomy surgery (PU surgery): 会陰尿道瘻形成術 complication:…

  • 【アメリカでペットと暮らす方へ】猫の尿道閉塞の安定化・診断・治療費

    【アメリカでペットと暮らす方へ】猫の尿道閉塞の安定化・診断・治療費

    この記事の内容 尿道閉塞の安定化、安定化にかかる費用 尿道閉塞の原因を診断するための検査、費用 入院期間、入院費用 手術が必要な場合の大まかな見積もり 支払いが難しい場合の対処法 まとめ この記事では尿道閉塞にかかる大体のコストをまとめていきます。アメリカの大学病院(二次病院と言われるような専門医がいる病院)の値段を参考までにご紹介します。病院によっても差があります。注意していただきたいことは、アメリカの大学病院は、街の動物病院よりも費用が高いということです。なぜなら、それぞれの科に専門医がいて、その道のプロから治療を受けられるためです。 具体的な費用は獣医さんが患者さんを実際に見てみるまでわかりませんが、大学病院で、重度の尿道閉塞の猫ちゃんを退院させるまでのコストは$1500-2500ほどです。手術が必要な場合、トータル$3500-5000ほどかかります。 この記事では、推奨される検査と治療、それぞれにかかる大体のコストをご紹介していきます。 尿道閉塞の安定化にかかる費用 初期安定化① 大学病院のエマージェンシーで、緊急症例がきた場合、ゆっくりと問診している時間がない場合もあります。その場合、獣医師や学生が、問診を始める前にstabilization(安定化)/CPR(心配蘇生)の許可を求めます。安定化の費用は約$300で、含まれている内容は以下になります。 エマージェンシーサービス(emergency service admission fee) 静脈留置のアクセス確保(IV catheter) 身体検査(Physical examination) 簡易超音波検査(感度の低い超音波で、胸腔、腹腔内の重大な異常を調べる※) 簡易血液検査(貧血、低血糖、低循環を調べるための簡単な検査) 点滴(IV fluid) 鎮痛剤(pain medication) 鎮静剤(sedation) 酸素供給(Oxygen supplementation) ※専門医の公式の超音波検査とは異なります。あくまで#8221;簡易#8221;超音波なので、得られる情報は限られます。 ここまではstabilizationの許可によって、飼い主さんから許可をいちいち確認せずに行える範囲になります。点滴などで状態が改善したら、状況に応じた診断、治療、プランの相談に移ります。 初期安定化② 尿道閉塞が重度の場合、以下の治療による安定化が必要になります。状況がそれほど深刻でない場合は、ここはスキップされるかもしれません。 不整脈の治療 K (カリウム=potassium)を下げる治療 膀胱穿刺 不整脈、K(カリウム)のコントロール 尿道閉塞は、原因が何であれ尿道の閉塞を解くことが治療のゴールとなります。しかし病態が進行しすぎていると、不整脈で亡くなってしまう可能性があります。なので、まずは処置を安全に行えるように安定化をする必要があります。 不整脈の原因となる物質はバナナなどに多く含まれる、K(カリウム=pottasium)という電解質になります。カリウムは、血液中に多すぎても少なすぎても致命的になる物質です。本来は尿として排泄されなければならないところ、尿道が閉塞してしまうことで、体内に蓄積してしまいます。 カリウムが高くなりすぎると、不整脈が出ます。細かくいうと、徐脈(心拍数が遅くなる)になり、血圧が低下して循環が保たれなくなります。よって、不整脈とカリウムをコントロールする内科治療が一番に必要になります。 膀胱穿刺 パンパンな膀胱はお腹の中でいつ破裂してしまうかわかりません。不整脈の治療と同時に、とにかく膀胱を萎ませてあげる処置を行います。 膀胱穿刺とは、お腹の皮膚から膀胱に針を進め、貯留した尿をいったん抜き取る救命処置になります。原因である尿道閉塞が解除されない限り、また尿が溜まってしまうので、膀胱穿刺は次のステップまでの時間稼ぎとして利用されます。 尿道カテーテルの留置 尿路の確保、という意味での次のステップは、尿道カテーテルの設置になります。尿道カテーテルとは、その名の通り、尿道に管を通し、膀胱から外界を直接人工的な管です。このカテーテルをバッグに繋いでおくことで、持続的に膀胱を空にすることができます。 尿道に石やプラグが詰まっている場合、カテーテルから生理食塩水を注入し、水圧をかけて閉塞物をフラッシュしながら膀胱まで進めていきます。バルーンカテーテルと言って、先端が膨らむタイプのカテーテルが主流になっています。カテーテルの先端が膀胱まで挿入されてからバルーンを膨らませることで、カテーテルが抜け落ちてしまうリスクを防ぎます。 この尿道カテーテルを留置することで、大体3-4日間ほどかけて、炎症で腫れ上がってしまった尿道を休める働きがあります。 ここまできたら再び尿毒症になる心配はありません。尿路が確保されたら、尿道閉塞の原因がなんだったかの診断に移ります。そして、原因に応じた治療法を選択していきます。 ここまでにかかるおおよその費用 初期安定化①: $300 初期安定化②: 状況による…