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アメリカで働く

アメリカで獣医師として働く方法②NAVLE, ECFVGとは?

はじめに

著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務し、2022年現在、アメリカの獣医大学で救急集中治療(ECC)の専門医を目指してレジデントをしています。

この記事では、アメリカで獣医師として働くためにはどんな試験をクリアする必要があるかご紹介します。

アメリカで獣医師として働くためのオプションに関しては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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アメリカの一般病院で獣医師として働くには

アメリカの一般病院で獣医師として働くためには、①アメリカで通用するライセンス及び、②アメリカの獣医師国家資格が必要になります。

日本の獣医師免許は海外では使えないの?という質問の答えは残念ながらノーです。日本の獣医大学を卒業して、国家資格を取得しても、アメリカで獣医師として働くことはできません。

アメリカで通用するライセンスとは、AVMA(AmericanVeterinaryMedical Association)という獣医を代表する非営利団体に、認められた大学のプログラムを終えたと言う証明です。

AVMAに承認された獣医大学は世界各国にあります。この承認の基準に関する詳しい内容は知りませんが、AVMAが定めた教育水準を満たすカリキュラムと、学生がしっかりと学べる環境が提供でているか、が審査されます。一度承認を受けた大学でも、定期的に審査が入るため、維持するためにも教育の質をしっかりと維持する必要があります。

アジアではソウル大学が唯一、 AVMAの承認を受けた獣医大学になります。

これらの大学を卒業することで、AVMAのおめがねに叶う教育を受けた、とみなされ、アメリカやカナダ、オーストラリアなどで、国家試験に合格すれば、現地で獣医師として働くことができる様になります。

日本はAVMAに承認された大学はありません。なので、この教育を受けた時と同様の自分のスキルを証明する必要があります。その方法が次に説明するECFVGになります。

ECFVGとは

Educational Commission for Foreign Veterinary Graduates (ECFVG)とは簡単にいうと、日本の獣医大学を卒業した人が、アメリカでも働けるだけの知識とスキルを学んできましたよ、ということを証明するための資格になります。

EGFVGとは、AVMAに認可されていない獣医大学を卒業した外国人が、AVMAに認可された大学を卒業したと同様の知識やスキルがあることを証明するためのテストになります。

4つのステップからなり、2021年現在の受験費用は以下になります。

  1. 申し込み、獣医大学卒業証書:$1400
  2. 英語のスコア(TOEFLもしくはIELTS): $200-300
  3. BCSE(筆記試験): $220
  4. CPE(実技試験): $7630

にクリアすると、晴れて国家資格取得ということになります。これをクリアするのに、総額100-150万円くらいはかかります。

BCSE

BCSEとは、Basic and Clinical Science Examinationの略で、小動物臨床がメインの筆記試験になります。選択問題が225問、制限時間は220分です。

https://www.avma.org/education/ecfvg/ecfvg-basic-and-clinical-sciences-examination-candidate-bulletin#outline

CPE

CPEとは、Clinical proficiency Examinationの略で、3日間7セクションの実技試験になります。大動物、馬、病理解剖、麻酔、手術など幅広いスキルが問われます。実技試験なので、実際に牛の直腸検査なども試験に含まれます。

この試験を受けるためには、Step 3のBCSEをクリアしていることとNAVLEに合格している必要があります。(NAVLEに関しては後述)

受験費用は$7630と高額で、1セクション受け直すのに$1450かかります。場所はMississippi State UniversityかLas Vegas のコンフェレンスセンターの2箇所ありますが、ミシシッピはコロナの影響で現在は閉鎖しているので、実質ラスベガスの1箇所のみとなります。(2021年4月)

多くの日本人は、大動物の実地経験がない場合、CPEの試験で躓いてしまう可能性があります。実際に動物で練習できるような環境がない場合は、以下にしるすPAVEというプログラムに参加することで実技試験を回避する方法もあります。

PAVE

PAVEとは、Program for Assessment of Veterinary Education Equivalence の略で、EGVFGの実技試験を回避する手段になります。

Qualifying Examination(QE)という筆記試験をクリアした後、1年間の臨床実習のプログラムに参加することになります。このプログラムに参加する費用は$50,000ほど。アメリカの獣医学生の1年間の学費(州外の学生扱い)と同じだけ払って、学生の臨床実習に混ざることになります。

もちろん、お給料も出ないので、教育費に加えてアメリカでの生活費も必要になります。1年間にかかる費用は約1000万円くらい(2021年)とPAVEを実際に修了した友人から聞きました。

このプログラムに参加すれば、CPEのような実技試験を受ける必要なく、アメリカのライセンスを取得できます。

NAVLE(The North American Veterinary Licensing Examination)とは、州のライセンスを取得するために必要な国家試験になります。

EGFVGは、アメリカの獣医大学を卒業したのと同様のスキルや知識があるということを証明する資格ではありますが、獣医師免許とは別になります。日本で例えると、獣医大学を卒業しただけで国家資格に受かっていない状態です。

よって、卒業前にアメリカの獣医学生も全員NAVLEを受けます。選択問題の筆記試験で受験料は$700、11月と4月の年に2回受けるチャンスがあります。

範囲は日本の国家資格と同様、大動物、魚、法律、、、など幅広いです。

私たち外国人がNAVLEを受験するには、ECFVGのStep 3であるBCSE(筆記試験)に合格している必要があります。

州のライセンス

EGFVG、NAVLEに合格したら、いよいよ州で働くためのライセンスが必要になります。

州のライセンスは州によって、難易度や形式が異なります。試験がないところもあれば、オープンブックのところ、もしくはガッツリ試験されるところと様々です。

これら全てをクリアすることで、晴れてアメリカの一般病院で働くことができるようになります。ECFVGやPAVEの修了は、アメリカだけではなく、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでも有効になりますが、オーストラリアなどアメリカではない場所で働く場合はNAVLEではなく国特有の国家試験に合格する必要があります。

まとめ

  • アメリカの一般病院で働くための資格は国家資格と州の資格
  • 国家資格の取得はECVFGとPAVEの2つの方法がある
  • ECFVGは大動物の臨床を経験できる環境が必要
  • PAVEは1年間の獣医学生のプログラムに参加すれば実技試験を回避して国家資格が取得できる
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