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ペットと暮らす

【アメリカでペットと暮らす方へ】亜鉛中毒⁉︎ペットが硬貨を飲み込んだ時に注意する驚くべき理由とは⁉︎

本記事の内容

  • ペットが硬貨を飲み込んだときにするべきこと
  • 溶血性貧血とは
  • 診断方法
  • 治療法
  • 大学病院vs一般病院
  • 役立つ英語
  • まとめ

著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。今回の記事では、ペットが何らかの硬貨を呑み込んでしまった場合、どうするべきか、動物病院でオファーされる治療についてご紹介します。

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ペットが硬貨を飲み込んだときにするべきこと

結論から言うと、ペットが効果を飲み込んだ場合、必ずすぐに動物病院に行くようにして下さい。なぜなら、硬貨の種類によっては、亜鉛中毒になる可能性があるからです。

1982年以降のペニーは、亜鉛が含まれているため、重度な貧血を合併する亜鉛中毒を引き起こします。

原因を取らない限り、メタルは腸管から吸収され続けて様態が重篤化する可能性があります。

ペルオキシダーゼによる催吐は勧められません。なぜなら、刺激物質により胃炎を起こす可能性があるからです。

溶血性貧血とは

酸素を体に届ける働きをする赤血球が、壊されることを溶血と言います。赤血球が壊れることで、貧血が生じ、歯茎の色が白くなります。十分な酸素を体に運べなくなるので、ペットは元気消失や食欲低下、重篤な場合は呼吸が速くなるなどの症状を示します。

また、溶血によって黄疸(白目や歯茎、皮膚の色が黄色くなる)こともあります。

診断方法

レントゲンで、硬貨がどこにあるか確認します。硬貨はレントゲンにくっきり写るので最初のステップになります。

アメリカでは、レントゲンを撮る際にもペットにストレスがかかりそうな場合は鎮静剤を投与することが多いです。その場合のリスクなどは必ず説明され、同意のもとで検査に進みます。鎮静に使用する薬は基本的には安全な薬です。

他の臓器の機能を評価するために、血液検査も行われます。

治療法

薬で吐かせる

誤食してすぐの場合、もしくは異物が胃の中にあって、まだ吐いていない場合は催吐が有効です。すでにペットが吐いている場合や、誤食してから時間が経ち過ぎている場合は、吐かせる意味がありません。

催吐処置でコインを嘔吐させられなかった場合は、次のステップに進みます。

内視鏡

レントゲンでコインが胃内にあることが確認された場合、内視鏡の適応になります。大学病院では、内視鏡のスペシャリストである、内科専門医が処置に携わります。

全身麻酔下で、胃カメラを入れて、マジックハンドのようなもので掴み取ります。お腹を切らなくていいので、もっとも低侵襲の治療です。

しかし、内視鏡の成功率は、必ずしも100%ではなく、胃の中に食べ物が残っていたりするとうまく取れない場合もあります。

大学病院で、内視鏡にかかるコストは、レントゲンの検査など全て含め約$1000-1500です。もし内視鏡で取れなかった場合には外科手術に進む必要があります。

外科手術

コインが腸内にある場合、もしくは内視鏡で硬貨が取れなかった場合は、お腹を開ける手術にてコインを取り出す必要があります。

お腹と腸を切ることになるので、侵襲は高いですが、確実にコインを取ることができます。

合併症として、術後の腸裂開(切って塗った部分が裂けること)、腸炎(腸の炎症)などが生じる可能性があります。手術前に必ず外科医から起こりうる合併症の説明があります。

基本的には術後、3-5日の入院が必要(合併症などの状況による)になります。費用は大学病院でトータル$3000-5000程度かかります。

輸血

原因が取り除かれたら、貧血が重度であれば輸血を行います。症状が重症な時は輸血とコインを取る作業を同時に行うこともありますが、基本的にはコインを取り除くことが最優先されます。

大学病院vs一般病院

大学病院は一般病院と比べ非常に高額になります。その理由としては、専門医が全ての工程を管理するからです。基本的には夜間も含め24時間の看護が提供できます。

ペットの様態が重症になる程、大学病院でしかできない処置が増えます。例えば、全ての病院で輸血が可能なわけではありません。ドナーを飼い主様自身で見つけないと輸血できない病院もあります。大学病院では、血液バンクを持っていて、ストックの血液をすぐに輸血できることが多いです。

一方、一般病院はコストがはるかに安いです。

普通の一般病院では、内視鏡などの設備はありません。さらに、外科医や麻酔医、などの専門医ではなく、一般獣医師が全ての工程を担います。術後、24時間看護ができない病院もあります。

大学病院のコストを知らずに来院され、費用を聞いてびっくり。治療費を抑えるために、大学病院から一般病院に転院する、といったケースを何度も見てきました。その場合、コインが取り除かれるまでの時間が長引き、亜鉛中毒が進行してしまう可能性があります。

ペットが一刻も早い治療を受けられるように、素早い判断が重要になります。

役立つ英単語

  • teaching hospital 大学病院
  • general practice 一般病院
  • Zinc 亜鉛
  • Zinc toxicity 亜鉛中毒
  • anemia 貧血
  • hemolytic anemia 溶血性貧血
  • diagnosis 診断
  • Xray/radiograph レントゲン
  • sedation 鎮静
  • stomach 胃
  • intestine 腸 
  • duodenum 十二指腸
  • treatment 治療
  • endoscope 内視鏡
  • internist 内科医
  • surgeon 外科医
  • general anesthesia 全身麻酔
  • gastrotomy 胃切開
  • enterotomy 腸切開
  • invasive 侵襲的な
  • minimal invasive 低侵襲の
  • complication 合併症
  • hospitalization 入院
  • blood transfusion 輸血

まとめ

  • ペットが硬貨を飲み込んだらすぐに動物病院にいきましょう
  • 硬貨がペニーの場合は亜鉛中毒を合併する可能性があります
  • 大学病院へ行くか、一般病院へ行くかは状況次第
  • 早急な対応が重要です

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みけ
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