この記事では、VIRMPの公式サイトの、一例としてECCのレジデントプログラムについて解説していきます。
メインはインタビューに関する情報の詳細ですが、まずは施設についての詳細から説明していきます。
Facility & Location
Equipment and technology
病院内にどのような機械や検査ができるかが挙げられています。
ECCのレジデントに応募する時に、例えば透析にすごく興味があるのであれば、透析機を保持している施設に行かなければ透析の症例を見ることはできません。神経病に興味がある場合はMRI、凝固系に興味がある場合は凝固系の院内検査機器の有無について知っておくといいでしょう。
機械があるからといって、症例がいるとは限りません。例えば、実は過去に透析をたくさん回している先生がいたため、血液透析と血液浄化の機械があるが、その先生が引退されてから、機械はあるけれども透析の症例は受け付けていないという、例もあります。
自分が特に深めたい分野があるのであれば、インタビューの際に、「透析症例はどのくらいの頻度でみますか?」など質問した方が確実です。
Interview
インタビューについての詳細です。
Is an interview required?
インタビュー(面接)が必須であるか?
インタビューは、レジデントのポジションでは必須のことが一般的です。スペシャリティインターンも、そのままレジデントとして働くケースが多いため、面接があることが多い印象です。
ローテーティングインターンは、面接がない病院が一般的で、書類のみで採用が決まることになります。
Who will be interviewed?
誰が面接を受けられるか?
ここで日本とアメリカの研修医の面接事情の大きな違いを説明させてください。
日本で「この病院(大学病院)で働きたい」と思ってポジションに応募した際、面接を受けられるのは当然だと思います。しかし、マッチングの過程では応募者全員が面接を受けられるとは限りません。
面接を行う側も、たくさんの先生を集めて時間を作って行う必要があります。人気の病院で100人から応募があったとして、100人が面接を受けられるわけではなく、見込みのありそうな人10-20人ほどに絞って面接をすることが一般的なのです。
つまり書類(マッチのパッケージ)で落とされ、面接すらさせてもらえないこともザラにあるということです。
これは、残酷なことではなく、アメリカで直接大学に出迎い、面接を受けにいくとなると、候補者にも多大な労力が必要になるのです。飛行機代、ホテル代、そしてその期間の休みを確保しなければならない。もしも、候補者の中で自分が100人中80番目くらいのランクで、可能性がかなり薄い場合、その労力をかけて面接しにいきたくはないですよね。
大学側がある程度書類によってある程度篩にかけておいてくれるというのは、お互いにとって優しいことなのです。
もちろん、興味のある候補者全員が面接を受けられるようにしている大学もあるので、このプログラムの要項をしっかり確認するようにしてください。
Interview Dates
インタビューの日にちは基本的にはマッチングのアプリケーションを提出した日から、ランキングの締め切りまでの間になります。
この病院では、December 1, 2023 – February 15, 2024とありますが、アプリケーションの前からインタビューの日程を抑えておくこともできます。
Virtual Interviews Allowed
ZOOMなどによる面接が可能かどうか
病院によって、面接の形式は様々です。私がマッチングに臨んだのは2020年から2022年の間で、コロナパンデミックの真っ最中だったため、基本的には全ての大学でバーチャルの面接となりました。(私は直接の面接を経験したのは実は1度だけです)
直接ではない場合、面接の形式は様々です。ある学校ではZOOM、ある学校ではあえて動画がなく電話面接のところもありました。
また、誰とどんな会話をするかというセクションに分かれるという面接の形式をとる病院も一般的です。例えば、初めの15分でDr.XXXと将来の目標について、次の15分でDr.YYYと症例についてのクイズ、次の15分でDr.ZZZと仕事倫理について、最後の15分でレジデントとの質疑応答といったような面接を経験したことがあります。
In-Person Interviews Allowed
対面式の面接が可能か
いわゆる病院に見学兼面接をする形です。私がマッチをした時期は、どの学校もこのIn-person interviewを受け付けていなかったため、ほぼ全てがオンラインによる面接でした。
この選択肢があるときにどちらがいいかと聞かれることが多々あります。
私の答えは絶対にIn-personです。大学からしたら、わざわざお金と時間を使ってここまで来たんだな、という印象になるはずです。長く時間を一緒に過ごした方が、印象に残ることもあると思います。
そしてマッチングは1回で終わるものではありません。もしかしたら来年も応募しなくてはならないかもしれないのです。その時に、「あ、この候補者は去年大学に来てくれたね」と覚えていてもらえるかもしれないのです。なので、もしも可能であれば、私であればIn-personをお勧めします。
Interview Request Details
インタビューのリクエスト詳細
その科のファカルティ(専門医)に直接連絡をして日程を決めてください、という場合もあれば、選ばれた候補者のみが面接を受けられる場合は大学側から候補者に連絡が行くことになります。
その場合は申し込みから数日、数週間したら連絡が来ることになると思うので、メールを待ちます。
おわりに
この記事では、マッチングのインタビューに関する情報を解説しました。
面接はいつでもハラハラするものです。準備にはしっかりと時間をかけて臨みましょう!