後負荷、血管抵抗をわかりやすく解説!
みけコミュニティでは、動物看護師さん、獣医さんにショックについて学んでいただくために、「ショックの講座」を開講しました。全10回の構成で、しっかりとショックを学んでいただくことができます。
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後負荷、血管抵抗とは何か?
一回拍出量とは、心臓が一回拍動するごとに、どのくらいの血液が拍出されるかという量です。これを、ホースから出る水の量に例えてみると、タンクにたまった水の量を前負荷、ポンプの力を心収縮力、そしてホースの太さを後負荷と考えることができます。
どの因子の変化も、一回拍出量に影響を与えることになります。
後負荷とは、このイラストの水まきに例えると、ホースの太さや張りと表すことができます。
ホースが細くなったり、ぎゅっと握りしめると、水圧が強くなり、水をより遠くに巻くことができます。しかし、同じだけの量の水を撒こうとすると、ホースにかかる圧に打ち勝つ力でポンプが水を押し出さなければいけないので、より大きなポンプの力が必要になります。
逆に太いホースにすると、水圧が弱くなり、出る水に勢いがなくなります。後負荷が低くなる、つまりホースにかかる圧が弱くなるので、小さなポンプの力で、同じだけの水量を拍出することができます。
後負荷は重度に低下すると、血液分布異常性ショックに陥るということは今までの講義でお話しした通りになります。
心臓の気持ちになって後負荷について考えてみよう
血管が拡張している場合、血液にかかる抵抗、圧が少なくなるので、わずかな力で血液を送り出すことができます。同じ量の血液を送り出すために必要な心臓の仕事量は減少します。
よって心臓への負担は少なく、心臓はハッピーでいられます。
一方、血管が収縮していたら、血液にかかる抵抗が高くなるため、心臓はそれに打ち勝つ力で収縮する必要があります。同じだけの血液を送り出すためには、心臓はより大きな力で収縮しなくてはなりません。つまり、心臓への負担が大きくなるということです。
まずはこの二つ、
- 血管が拡張すると心臓は楽に血液を送り出すことができる
- 血管が収縮すると心臓に負担がかかるということを覚えてください
心臓にとっては後負荷の低下はありがたいことだということが理解できたかと思いますが、臓器にとっては後負荷低下はどう影響するでしょうか
臓器の気持ちになって後負荷について考えてみよう
血管が拡張した状態とは、このように水流に勢いがなく、臓器に血液を届けることができなくなるような状態です。
後負荷の低下によって水圧が弱くなることが問題になります。
血管の収縮によって、血液をより勢いよく循環させることができるのですが、心臓に負担がかかるだけでなく、実は血管が収縮しすぎることによる循環への直接的な弊害もあります。
このグラフを見てください(イラスト右側)。
横軸が血圧、つまり血管の収縮、縦軸が心拍出量です。血圧が約150mmHgらへんを超えると、血圧が高くなればなるほど、血管収縮が激しくなるほど、心拍出量が減少していくことがわかります。
心拍出量が減少するとは、酸素運搬量が減少することに直結するのでしたね。よって、血圧低下が困るのと同時に、血圧が高くなりすぎても問題になるということがお分かりいただけたと思います。
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