この記事の内容
- マッチングとは
- タイムライン
- マッチングの申し込み必要なパッケージ
- 大学の成績表
- Curriculum Vitae (CV)
- Personal statement
- Recommendation letter
- まとめ
著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。2回のマッチングを経験しています。
この記事では、マッチングに興味がある方のために、わかりやすく申し込みの流れについて解説します。
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マッチングとは
マッチングとは正式名称、Veterinary Internship and Residency Matching Program (VIRMP)です。
マッチングのシステムを簡単に紹介すると以下の様になります。
- 大学や病院が、このサイトを介して研修医(インターン/レジデント)を募集
- 研修医(インターン/レジデント)のプログラムに参加したい人が、このサイトを介して応募申請
- 応募者が参加したいプログラムをランク付けする
- 大学や病院が欲しい応募者をランク付けする
- マッチングのアルゴリズムによって、応募者と、募集施設がマッチングされる
マッチングの応募には費用がかかりますが、応募者は複数の大学に応募することが可能です。
タイムライン
毎年申し込み期間は微妙に異なりますが、大体秋から大学のプログラム募集が始まり、冬に候補者の応募締め切りがあり、2-3月くらいにマッチングの結果が出ます。
今年のスケジュールが以下になります。
解説すると、
- 9/1:大学のプログラム募集が始まる
- 10/1:候補者が応募し始めたプログラムを、マッチングのサイトを用いてみることができる(どこの大学がどの様な条件で募集しているかをみることができる)
- 10/14:大学のプログラム募集締め切り
- 11/1:応募者がマッチングサイトに登録、申し込みが始まる
- 1/10:応募の締め切り
- 2/18:応募者のランキング締め切り
- 2/23:大学側のランキング締め切り
- 3/7:マッチングの結果発表
- 3/21:オープンポジション(二次募集)が始まる
赤字の部分が、申し込む候補者が必要な項目です。
この予定であれば、1/10までにマッチングサイトに登録、必要なパッケージを揃えて応募する必要があります。
1/10の締め切りまでに、自分が応募できる大学をリサーチし、必要なパッケージを揃え、興味のある大学に応募します。
日本国籍の方は特に、大学がビザを出してくれるかが大きな問題になります。外国人にビザを出せない大学に応募した場合、マッチされないならまだマシですが、間違ってマッチしてしまった場合、ビザがなくて結局働けず、1年間を棒に振るという最悪なことになりかねません。なので、必ずビザを出してくれるかどうかは確認する様にしましょう。
以下に説明しますが、必要なパッケージを集めるのに、時間がかかる場合があるので、余裕を持って準備することをお勧めします。
最初の応募は、複数の大学を選ぶことができます。可能性のある大学にはなるべく応募する様にします。ここで応募した大学以外の大学をランクすることはできませんが、あとでランクから外すことで応募を取りやめることはできます。
そして、1/10から2/18までにvisitingや、面接を行い、どの学校にいきたいかということを踏まえて、ランク付けします。
この時、応募した全ての大学をランクしなければいけないわけではありません。この大学にはいきたくない、と思えばその大学をランクしなければ、その大学には応募されないことになるので、マッチしてしまうことを避けることができます。
マッチングの申し込みに必要なパッケージ
大学によって、必要な書類は異なるのでいきたい大学に合わせたリサーチが必要ですが、マッチングに応募するために最低限のもの(パッケージ)を解説していきます。
- 獣医大学の成績表(英語)
- Cover Letter (CV)
- Personal Statement
- Recommendation letter(3-4枚)
獣医大学の成績表
成績表は大学に英語表記のものを発行してもらう必要があります。今までは、大学から直接、成績表をマッチングの協会に送ってもらう必要がありました。自分で受け取ってマッチング協会に送ることすら許されていませんでした。
去年(2021年)から、コロナの関係か、成績表のPDFをアップロードする様な形式に変わりました。なので、成績表のPDFデータがあれば、日本の大学に問い合わせて再発行する必要はありません。
Curriculum Vitae (CV)
Cover Letterとは履歴書の様なもので、自分のキャリアや、経験、取り組んできたことなどを示す書類です。
具体的には、以下の通りです。
- どこで働いたか
- どんなプログラムに参加したか
- 書いた論文
- 発表
- 携わったプロジェクト
- ボランティアなど取り組んできたこと
- 資格
- スキル
ルールはありませんが、常識的にどんなことを書くべきか。みやすいフォーマットなどはよく検討するべきです。
Personal Statement
Personal statementとは、志望動機のエッセイの様なものです。応募大学に知って欲しい自分のことを書き、自分の能力やモチベーションをアピールする場となります。以下の様な内容を含めることが多いですが、これもCVと同様、特にルールはありません。
あまり突拍子もないことを書いたり、常識外れのフォーマットにしたりすると、読んでもらえるチャンスすら失う可能性があるので、ある程度方にはめた状態で、かつ読み手の記憶に残る様な印象的なものにするのがキーとなります。
以下の内容を含めることが多く、大体500字(ワード1-2枚程度)を目標に書くことが多いです。
- 自分のモチベーション
- 夢、目標、やりたいこと
- なぜそのプログラムに参加したいのか
- そのプログラムでどんなことをしたいのか
- 自分がそのプログラムに参加したら、組織にどんなメリットを与えるか
- プログラム修了後、何がしたいか
- 自分のスキル、経験、性格
これらの内容を含め、自分を売り込みます。
Recommendation letter (推薦状)
マッチングを成功させるのに最も重要だと言われているのがこのRecommendation letter、推薦状です。必要な推薦状の数は3-4枚です。
推薦状はあくまで主観に基づいて書かれるものです。どんなに優秀でも、素晴らしい推薦状がもらえるかどうかはわかりません。良いことを書いてもらえる人にだけ推薦状をお願いするのが鉄則です。悪い推薦状1枚で、マッチングの結果は大きく覆ってしまいます。
マッチング応募締め切りが、推薦状の締め切りにもなりますので、余裕を持って誰に頼むかをしっかりと考えてお願いすることが重要です。
Recommendation letterに関しては、こちらのページで解説をしているので参考にしてください。
申し込みのパッケージとして必要なのは以上になります。これだけの様に見えますが、一つ一つ結構重いです。時間もかかります。1月までにしっかりと準備できる様に前持った準備がキーになります。
まとめ
- マッチングとは、インターンやレジデントを募集している施設と、応募者をアルゴリズムによってマッチさせるシステムのこと
- 秋からオープンし、冬に締め切り、2-3月に結果発表と言ったタイムライン
- 応募に必須な書類は余裕を持って早めから取り組むべき
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