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【犬猫の神経疾患と呼吸困難の関係は?】神経原性呼吸困難について解説!

今回は、【神経原性呼吸困難】についての投稿です。

神経疾患と呼吸困難、どういった関係があるのでしょうか。

肺という臓器は、自ら動いて空気を肺胞に取り入れることができません。肺が膨らむためには、呼吸筋と呼ばれる、横隔膜や肋間筋の正常な運動が必要になります。

呼吸筋の動きはどのように支配されているのでしょうか。

ここで神経と呼吸の関連性が見えてきます。

体にCO2が貯まったり、低酸素状態になった場合、脳がそれらを感知して、「もっと呼吸しなさいよー」という司令(刺激)を発します。

この刺激は、脊髄や末梢神経を介して、呼吸筋へと伝わり、より早く、より深い呼吸が起こるようになるのです。

もしも、これらの刺激の経路に異常があった場合、例えば、脳幹に腫瘍ができた場合、椎間板ヘルニアで頚部脊髄が障害された場合、末梢神経から筋肉への刺激伝達に異常が起こった場合(重症筋無力症などの病気で起こる)、横隔膜や肋間筋は満足に動くことができず、肺が膨らめなくなり、ガス交換ができなくなるのです。

神経原性に生じる呼吸困難は、他の病態と異なり、

  • 呼吸をしたくてもできなくなる
  • 浅い呼吸になる

特徴があります。

\この記事のハイライト/

☆​神経原性呼吸困難って何?

  • 呼吸筋を動かすための神経刺激が正常に伝達されなくなる病態
  • 脳幹、頚部脊髄、神経筋接合部、呼吸筋のうちのどれかの異常
  • 呼吸が浅くなる

☆どんな命の危険がある?

  • 呼吸が浅くなることで、肺胞の換気ができなくなる
  • 換気不全によって体に二酸化炭素が溜まる
  • 二酸化炭素が貯まった結果、さらに呼吸抑制が生じる
  • 低酸素血症やアシドーシスが生じ、最終的に死にいたる危険性がある

☆急性期の安定化と人工換気の適応

  • 患者さんがこのような状況に陥った場合、まずは酸素投与
  • そして、血液ガスをモニターし、静脈血のCO2(PvCO2)が60mmHgを超えるようであれば、人工換気が必要

\関連記事/
☆呼吸困難の原因11種類
☆換気と酸素化の違い

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