今回は、【換気と酸素化の違い】についての投稿です。
呼吸器の役割は換気と酸素化の大きく二つに分かれます。混同されがちなので、この記事で明確な違いを解説します。
換気を表す換気量とは、肺胞を出入りした空気の量によって決まります。酸素化能が低下するような、肺炎という病気があったとしても、肺胞内に空気が出入りしていれば、換気が障害されるわけではありません。
換気量は体内のCO2や、呼気中CO2によって評価することができます。
換気量が低下する低換気ではCO2を排泄できないため、体内にCO2が蓄積、もしくは呼気中のCO2が上昇します。逆に、換気量が増加する過換気では、CO2が体からどんどん排出されるため、体内のCO2濃度は減少します。
酸素化とは、肺から酸素を血液中に取り込む能力のことです。肺疾患、例えば、肺炎や肺水腫があると、肺胞に酸素が到達しているのにも関わらず、肺胞から血液中に酸素を取り込むことができない状態になり、低酸素血症に陥ります。
呼吸が悪いこと、低酸素血症、低換気の状態を混同しやすいですが、これらをしっかりと区別することで、患者さんに適切な安定化を施すことができます。
☆換気、酸素化とは何か
- 換気とは、肺胞に空気が出入りしているかどうか
- 酸素化とは、肺胞中の酸素が血液中にしっかりと取り込めているか
☆それぞれの機能の評価方法
- 換気の評価方法は血液中のCO2もしくは呼気中CO2(カプノグラフ)
- 酸素化の評価方法は血液中の酸素分圧(PaO2)もしくはSpO2
☆換気不全を引き起こす病態
- ☆上部気道疾患
- ☆下部気道疾患
- ☆神経原性呼吸困難
- ☆胸腔内の疾患
- ☆胸壁の疾患
- ☆胸腔外の疾患
☆酸素化能低下を引き起こす病態
- ☆肺実質疾患
- ☆心原性疾患
- ☆肺血栓症
- ☆血管系の疾患
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