この記事の内容
- 申し込みのパケットについて
- 必要なものを調べよう
- 卒業大学の成績表
- 一般情報
- Personal Statement
- CV (履歴書)
- Reference (推薦状)
- Program Applications
- まとめ
著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。マッチングを2回経験しています。
この記事では、マッチングに応募する際に必要なものを解説していきます。少しでもアメリカで働くこと、専門医になることに興味がある方は、マッチングに応募するために必要なものを頭の片隅に置いておくことをお勧めします。
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申し込みパケットについて
パケットとは、マッチングに申し込む際に必ず必要となる書類のことです。
これを知っておくことが非常に重要です。そして、これらを完璧に準備するのには時間がかかるということもこの記事で私が最も伝えたいことの一つです。
パケットを把握しておくことで、将来アメリカに飛び立つチャンスが来たときまでに何を準備しておかなければいけないかが明確になります。
例えば、自分には研究の強いバックグラウンドがあるけれど、臨床現場での経験が少ない。強い推薦状を書いてもらうために、XXX病院で研修しよう。
などと、パケットから逆算して何が必要かをプランニングすることが可能になります。
マッチングのアプリケーション自体は簡単ですが、思い立ってすぐにいいものが提出できるわけではありません。ちゃんとみてもらえる履歴書、推薦状をもらうにはそれなりの時間や準備が必要です。
今すぐにアメリカに行きたいわけではない人でも、「あーこんなものを準備しておけばアメリカで働ける可能性も出てくるのかー」と思ってもらえるようにわかりやすく解説していきたいと思います。
必要なものを調べよう
この情報は、2021年のVIRMP公式サイトからの引用です。年によって、内容が異なる場合もありますので、ご注意ください。
VIRMPのサイトから、VIRMP Info –>12 Application Packetのリンクに飛ぶと、パケットに関する説明があります。
https://www.virmp.org/Home/VIRMPInfo?page=12
必要なもの
- 卒業大学の成績表
- 一般情報
- Personal Statement
- CV (履歴書)
- Reference (推薦状)
一つ一つ上から見ていきましょう。
さらに詳しい解説を別記事にしていますので、いざ申し込む!というかたはそちらの記事も参考にしてみてください。
卒業大学の成績表
卒業獣医大学の成績表は提出方法が2021年から変更されています。2021年より前は、卒業獣医大学から直接紙の公式の成績表がマッチングの協会に送られる必要がありました。それが、2021年のマッチングでコロナの影響もあり、PDFの形式でアップロードする形に変更されました。
ここには、両面のスキャンをPDFの形式でアップロードするように指示があります。
私の成績表は裏は白紙でしたが、一応指示に従い両面をスキャンして提出しました。
一般情報
このページでは、あなたに関する一般的な質問に答えていきます。この回答がどのくらい重要なのかはよくわかりませんが、どんな分野に興味があるか、などをアピールすることができます。
Personal Statement
パーソナルステートメントは、小論文のようなものです。なぜそのプログラムに応募するのか。将来何がしたいのか。プログラムでどんなことを学びたいか。などをA4に1-2ページで書いてPDFの形でアップロードします。
ご覧の通り、あまり規定がなく、自由にかけます。書きたいことを全部盛り込むのではなく、簡潔にわかりやすく書くことが推奨されます。
Personal Statementは準備が非常に大変で、私的には毎年、最も時間と労力を費やしている部分になります。なので、Personal Statementの書き方の説明には力を入れました。こちらのページを参考にしてみてください。
CV (履歴書)
履歴書はPersonal Statement同様、PDFの形式でアップロードを行います。
ここには、少なくとも卒業大学と、過去の職場の情報を記載するよう推奨されています。
情報がなかったからといって落とされることはありませんが、情報が欠落しているCVを快く思う先生はいないと思いますので、もれなく記載することが重要かと思います。
そして、たくさん論文を書いている先生など、素晴らしい経歴をお持ちの先生はCVがえらいことになる可能性があります。私には縁のない話ですが、何十枚にも及ぶ場合があるのではないでしょうか。規定としてはマックス1MBと書かれています。
Reference
Letters of references とは推薦状のことです。レコメンデーションレターなどと呼ばれることもあります。
インターンシップとレジデンシーの推薦状はそれぞれ別の人を選ぶことができます。
3-4人の推薦状が必要で、ADD REFFERENCEのボタンを押すと、推薦状をかく人の情報を入力するページに飛びます。
ここでSUBMITWO押すと、マッチングの協会から登録した人へメールが届きます。このメールには、応募者を評価するアンケートのような質問が含まれます。例えば、この応募者は、チームワークに優れていますか?たくさんの症例をみる力がありますか?知識のレベルはどのくらいですか?などの質問に1-5の点数をつけていくことになります。
最後に、候補者がどのような人間性か、などを文章でかける自由記載欄があります。
どんな推薦状の形式なのかは、VIRMPの公式サイトにPDFが掲載されています。
獣医の世界は狭いので、誰がどんなことをいうかが非常に重要になり、その人のキャリアにも影響します。たとえば、3人に推薦状をお願いして、2人から素晴らしい推薦状をもらえたとしても、1人にネガティブなことを書かれてしまうと、採用を考慮する側からの印象はよくないものになりかねません。
慎重に人を選ぶことが重要になります。推薦状に関する詳しい解説はこちらのページをご参照ください。
Program Applications
最後に、応募したい大学を入力します。
インターンとレジデント両方に応募する場合は、以下のボタンをクリックすることで申し込みたい大学(プログラム)を選択できるようになります。
ここまででひと段落です。1月の締め切りになると、この情報が自動的に大学に送られることになります。ここからは、大学側とインタビューを行ったり、プログラムのリサーチを行い、どの大学を何位に順位付けするかのランキングが始まります。
ランキングの締め切りは大抵1ヶ月後になります。ランクの付け方に関してはこちらのページで解説していきます。
まとめ
ここまでで、ざっくりとマッチングに必要なもの、流れをご紹介しました。一つ一つの書類について解説した別の記事も作りましたので、そちらも参考にしてみてください。
簡単なようで、本当に採用されるために良いものに仕上げるには時間がかかるということをわかっていただけたでしょうか。私の場合、10月あたりからPersonal statement, CVの作成時にストレスがズーーーっと続くのです。頭のどこかにもやもやもやもや、、、とマッチのことを考えてしまうのです。。。
たくさん準備をしていれば、余裕も生まれ、おそらくそんなストレスも減ってくるはずです。最初は慣れないと思うので、確認確認でしっかりと応募するところから初めてみましょう。
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