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呼吸の悪い患者さんの看護

【犬猫の胸腔内疾患(胸水や気胸など)】の病態を解説!

今回は、【胸腔内疾患】についての投稿です。

胸腔内疾患とは肺が含まれる胸腔内に何らかの物質が占拠し、肺が膨らめなくなる病気を指します。

肺のガス交換は、呼吸筋(横隔膜や肋間筋)が動くことで胸腔内の圧が変化することで行われます。吸気時には胸腔が膨らみ、胸腔内は陰圧になります。胸腔内と外界の圧力の差によって空気が肺胞内に吸い込まれ、吸気の最後には外界と肺胞内の圧力差がほぼゼロになります。

胸腔内疾患によって、胸腔内が正常よりも陰圧ではなくなった場合、何が起こるかというと肺が膨らめなくなり、肺に空気を吸引することができなくなります。その結果、ガス交換ができなくなるため、体内にCO2が蓄積し、低酸素血症に陥ります。

胸腔内の占拠物には、水や空気、そして臓器や腫瘤などが含まれます。水が溜まれば胸水、空気が溜まれば気胸、臓器が胸腔内を占めている状態とは、横隔膜ヘルニアなどがあります。大きな肺腫瘍や縦隔の腫瘍なども同様に、胸腔内疾患に分類されます。

この投稿では、様々な胸腔内疾患、そして原因となる鑑別疾患リストを紹介しています。

☆胸腔内疾患の種類

  • 胸水
  • 気胸
  • 胸腔内腫瘤
  • 横隔膜ヘルニア

☆胸水の種類とその原因

  • 胸水(漏出液、変性漏出液、滲出液)
  • 乳び
  • 膿胸
  • 血胸

もしも胸水や気胸の貯留によって呼吸困難に陥っている場合は、胸腔穿刺による治療的な胸水抜去や空気抜去が必要になります。

呼吸が悪い患者さんには酸素投与と鎮静!と考え、胸水や気胸を見逃している場合は、状態は一向に改善されることはありません。なぜ呼吸困難に陥っているかを早急に突き止めて、原因に応じた安定化を図ることが重要です。

また、胸水や気胸の原因を突き止めることが次のステップで、胸水の性状検査によって大きなヒントを得ることができます。しっかりと胸水性状の評価方法を勉強しましょう。

また、もっとこんな事が知りたい!等あれば、ぜひコメント欄で教えてください🐾

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みけ
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