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【アメリカでペットと暮らす方へ】夜間救急に電話をかけるときの心構え

夜間救急に電話するときの心構え

この記事の内容

  • 夜間救急に電話をかけるときに必要な情報
  • 夜間救急の電話対応マニュアル
  • 状況に応じた情報収集
  • まとめ

著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。

この記事では、夜間救急動物病院に電話したときにどのようなアシスタントが得られるかについてご紹介します。この記事を書こうと思ったきっかけは、研修医中に電話対応マニュアルを学ぶ機会があったからです。エマージェンシーに電話をかけるようなシチュエーションでは、飼い主さんはおそらく、焦りや、不安など様々な感情が入り乱れていると思います。

普段なら聞こえる英語も、焦ると聞こえなくなることは私の身にもよく起こります。そんなことが起きた時を想定して、予めどんな情報を伝えられる可能性が高いかを理解しておくと、実際に電話しなければいけなくなったときの助けになると思います。

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夜間救急に電話をかけるときに必要な情報

ペットに何か異常が起こり、救急病院に電話をかけるとき、必要な情報を予め準備しておくことをお勧めします。必ずと言っていいほど聞かれることは、以下になります。

  • ペットの年齢
  • 性別/避妊去勢の有無
  • 犬種/猫種
  • 病院までどのくらいの距離にいるか
  • 何が起こったか
  • ペットの意識はあるか
  • ペットは呼吸をしているか
  • 呼吸は苦しそうか
  • いつからその問題が続いているか
  • 既往歴(今までに診断された病気)
  • 投薬歴(現在どんな薬をあげているか、どのくらいの用量で、どのくらいの頻度であげているか)
  • 最後の投薬時間

夜間救急の電話対応マニュアル

また、下記のような指示やアドバイスが伝えられることがあります。

  • 痛みのあるペットは噛む可能性があるので注意
  • マズル、ブランケット、タオルなどを使って噛まれないようにする

すぐに病院に連れて行くよう指示をする場合

中毒の可能性がある場合
  • 食べたもののボトル、パッケージを持参してもらう
  • もしもパッケージがなければ吐物でもいいので持参してもらう

何を食べたかにもよりますが、電話で獣医師に確認したときに連れてくるように勧められた場合は、なるべく早く来院するようにしてください。誤食から3時間以内であれば、催吐する(吐き戻して体外に出させる)ことができる可能性があるので、来院は早ければ早いほどいいです。中毒物質が胃から腸に流れてしまった場合は、取り出すことができないので、入院点滴・投薬をしたり麻酔をかけて手術で取り出すなど、より集中的な治療が必要になります。

何を食べたか、どんな成分か、ということが非常に重要になります。例えば、アメリカでは殺鼠剤中毒が非常に多いです。殺鼠剤にも大きく3種類あり、種類によって生じうる症状、治療方法、予後が異なります。ボトルやパッケージが重要な情報を与えてくれるので、必ず持参するようにしてください。

呼吸に問題がある場合
  • 舌の色を確認(–>青や紫の場合は危険)
  • 失神のエピソードを確認(–>失神がある場合は危険)
  • もっとも近い病院に行くように指示

呼吸に問題がある場合、状況は深刻な可能性が高いです。数分の差が命取りになる可能性があるため、かかりつけではなく、もっとも近くの開いている病院に連れて行くことがお勧めされます。

特に、舌の色が変化している場合、失神などの症状がある場合は移動中に亡くなってしまう可能性もある深刻な状況です。

発作
  • 口の周囲を触らない(–>噛まれる可能性がある)
  • 発作が5分以上続いた場合、24時間以内に2回以上の発作が起こった場合は来院
  • 初発の発作の場合は夜間にでも来院が推奨される

発作を起こしているペットは、意識がありません。そのつもりがなくても、口の周りの物に噛み付いてしまう可能性があります。くれぐれも口の周囲を触らないようにしてください。

5分以上続く発作は重積発作と呼ばれ、発作による二次的な脳の傷害が起こる可能性がある危険な状況です。すぐに発作を止める必要があります。24時間以内に2回以上の発作が起こることを群発発作と言います。どちらも、発作によって重篤な合併症が出る可能性がある危険な状況なので、すぐに病院に連れていくことが推奨されます。

初発の発作の場合、原因がわかっていないので、発作の基礎疾患を調べること、ペットが安定していることを確認するためにも来院が勧められます。

心肺停止
  • 口の中に気道を閉塞するものがないか確認
  • 心臓マッサージを開始する(心臓を1分間に100-120回の速さで圧迫)
  • 鼻へ人工呼吸をする(6秒に1回空気を送る)
  • 一人が運転する間一人が心肺蘇生(CPR)しながら病院へ向かう

病院内での心配蘇生成功–>退院できる可能性は5%と言われています。心配蘇生が成功しても、そこから家に無事帰れる可能性は非常に低いということです。

それでも、原因などがわかっていない場合は、心臓マッサージを続けながら病院にくることが提案されます。ペットが死後硬直で固くなっている場合、冷たくなっている場合は残念ながらそこから回復させられる可能性はほとんどありません。

まとめ

  • 救急病院に電話をする際は、予め必要な情報を準備しましょう
  • 緊急事態に備えましょう
  • 1分1秒を争う緊急事態には、素早い行動を心がけましょう

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みけ
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