https://veccblog.com
ペットと暮らす

【アメリカでペットと暮らす方へ】中高齢猫の健康診断と必須ワクチンについてわかりやすく解説

本記事の内容

  • 中高齢(7-8歳以上)猫の健康診断
  • 推奨される定期検査/予防
  • 身体検査
  • 隠れた病気を早期発見するための検査
  • 予防接種
  • 獣医さんの予約を取る前に
  • まとめ

私は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。この記事では、アメリカでおすすめされる中高齢猫(7-8歳以上)の定期チェックについて説明します。

ペットを飼うと、いろんな病気、いろんな予防に関する知識が必要です。このページを通して、英語が苦手な方でも、どんな検査や予防が必要かをしっかりと理解した上で動物病院で意思決定ができるようにお手伝いできたら幸いです。

[read_more id=”1″ more=”Read more” less=”Read less”]

中高齢猫(7-8歳以上)の健康診断

猫の写真

おとな猫も1年に1度以上は健康診断のために動物病院へ行くことをおすすめします。基本的には日本と同じです。大きな理由は以下の3つになります。

  • 獣医さんに身体検査してもらえる
  • 血液検査、尿検査で隠れた病気を早期発見できる
  • 必須の予防を済ませるため

推奨される定期検査/予防

1年に1度、動物病院を訪れた時に推奨される中高齢猫への検査/予防は以下になります。

  • 身体検査
  • 血液検査
  • 甲状腺ホルモンの検査
  • 尿検査
  • 予防接種(狂犬病、猫混合ワクチン)

身体検査

毎日ペットを見ていると、これは異常なのか、それとも正常なのか、分からなくなることはよくあることです。外傷による骨折だったり、急に吐きまくっている、など、劇的な症状が急に出てきたら間違いなく異常だと判断して動物病院に連れて行かなくては。となると思います。

しかし、ゆっくり変化する慢性的な変化の場合、どこからが異常で、検査が必要なのか。治療が必要になってくるのか。ご自身での判断が難しくなるところかと思います。

例えば、

  • 元々痩せ気味だけど、ここのところさらに痩せた?それともこの子にとっては普通?
  • 元々食が細い方だけれども、最近さらに食欲が減った?
  • 普段から抱っこされるのが嫌いだけど、触られるのすら嫌がっている?
  • 歩き方がおかしい?ふらついている?

など。そのような時に、定期的に獣医さんという第三者の目から客観的に評価してもらうことが非常に重要になってきます。異常を早い段階で気付けることで、早期治療、寿命を伸ばしてあげることも可能かもしれません。

隠れた病気を早期発見するための検査

  • 血液検査:隠れた腎不全、肝臓障害、を早期に検出できます。腎臓病は特に早期発見によって、腎不全の進行を緩めるためにできることがあります。
  • 甲状腺ホルモン:7歳以上の猫には毎年の検査が推奨されます。早期発見、早期治療できることで合併症の進行を遅めます。
  • 尿検査:中高齢から、猫は腎不全のリスクが高まります。血液検査で検出できない早期の腎不全や、尿感染を発見できます。

予防接種

  • 猫に必須の予防接種(Core vaccine)
    • 狂犬病 (Rabies)
    • 猫混合ワクチン(FVRCP)
  • 任意の予防接種(Non core vaccine)
    • 猫白血病ワクチン(FeLV)

コアワクチンと呼ばれる必須のワクチンは、かかると死亡することもある恐ろしい病気を予防するためのものです。若い猫は免疫力が低いので、ワクチンでサポートしてあげる必要があります。

狂犬病ワクチン

狂犬病ワクチンは、日本と違い、猫でも法律で定められる必須のワクチンとなります。必ず、遅滞なく接種するようにしましょう。猫の狂犬病についてはこのページを参照。

猫混合ワクチン(FVRCP)

猫混合ワクチン(FVRCP)も必須のワクチンになります。猫のワクチンについてはこのページを参照

猫白血病ワクチン(FeLV)
猫が遊んでいる写真

猫白血病ワクチン(FeLV)は中高齢の猫に限り任意です(若い猫は必須)。ペットが外にいく場合はウィルス陰性を確認した上で投与するようにしましょう。(FeLV陽性の場合は投与する意味がないため)

FeLVは、任意ではありますが外に出さない猫でも打つことをお勧めします。

なぜなら、脱走してアブセス(膿瘍)をつくって帰ってきたという猫を何度も診察したことがあるからです。FeLVは咬傷や舐める、糞便、尿を媒介しても感染します。

若い猫の方が感受性が高いので、幼若猫にのみ必須ワクチン扱いをされていますが、もしも重度に感染してしまった場合は3年以内に80%が死亡するというデータがあります。

予防で防げる病気はなるべく防いであげたいですね。

  • ワクチンプロトコール、病気については別の記事で説明してるので参考にしてください。
  • また、狂犬病ワクチン接種の重要性を説明した記事もあります。アメリカでは猫でも必須です。

獣医さんの予約を取る前に

medical recordの写真

準備するもの

  • 診察券(カルテ番号)
  • ワクチン証明書、どのワクチンが必要かを明確にする(かかりつけを変える場合)
  • ノミダニの駆虫状況を把握
  • medical record(かかりつけを変える場合)
  • 普段の行動、食事、排尿、排便で気になることをまとめる
  • 薬の投薬状況も確認(指定された通りにできているか)

健康チェックはかかりつけ病院に電話をして、アポイントメントを取ります。なんのワクチンが必要か、なんのテストが必要かを前回の書類で確認しておきましょう。

病院が変わる時などは元の病院のmedical recordが必要になります。もしなくしてしまった場合は、電話で書類を送ってもらいましょう。

病院でひどく緊張してしまう猫ちゃん、診察に協力的ではない猫ちゃんには、診察中にリラックスしてもらうための薬をあらかじめ処方できます。※ただし、初めての診察の場合は、処方してもらえないことが多いです。

準備ができたら、電話で予約をとりましょう。walk-inと言って、予約なしで診察してくれることもあるかもしれませんが、待ち時間が余計にかかったり、状況によっては、診察してもらえないこともあります。猫ちゃんのストレスを軽減させるためにも、予約をとることをおすすめします。

まとめ

  • 7歳以上の中高齢の猫ちゃんは、年一度の健康診断にいきましょう
  • 予約を取る前に、何の処置、検査が必要かあらかじめ確認しましょう
  • ストレスがひどい場合は、診察前に薬を処方してもらいましょう
  • 準備が整ったら、電話で予約をしましょう

子猫のワクチン接種方法に関してはこちらを参照ください。

[/read_more]

ABOUT ME
みけ
スキマ時間にどうぶつの救急&集中治療のお勉強🐾 動物看護師さんに優しく、分かりやすく学んでもらう! をモットーに活動中😺 (もちろん獣医さんもウェルカムです😸) ためになる知識を発信していきます! アメリカ獣医 救急集中治療専門医レジデント🇺🇸 <詳しいプロフィールは、こちら> <お問い合わせは、こちら