この記事の内容
- 脳神経検査とは(前編)
- 1-12対の脳神経(中編)
- 1-12対の脳神経の評価(後編)
著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。
この記事では、何のために脳神経検査を行うのか、12対の脳神経の機能、さらに12対の脳神経機能を評価する方法をイラストを用いて説明します。中編では、1-12対の脳神経をイラストを用いて解説していきます。おさらいしていきましょう。
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嗅神経(Ⅰ)
嗅覚の情報を脳に伝えます。大脳から直接つながる神経です。
視神経(Ⅱ)
視覚の情報を脳に伝えます。大脳から直接つながる神経です。
動眼神経(Ⅲ)
- 瞳孔の大きさの調節(毛様体筋/瞳孔括約筋→縮瞳させる)
- 眼球の上下および内側の動きを調節(背側直筋/内側直筋/腹側斜筋/腹側直筋/上眼瞼挙筋/眼球後引筋の内側部)
滑車神経(Ⅳ)
- 眼の内側の動きの調節(背側斜筋)
三叉神経(Ⅴ)
- V1 眼窩裂:角膜、眼球、前頭洞の感覚
- V2 正円孔:上顎、頬、鼻、歯、口腔粘膜の感覚
- V3 卵円孔:下顎領域の感覚、咀嚼筋の運動
外転神経(Ⅵ)
- 眼球の外側の動きを調節(外側直筋/眼球後引筋の外側部)
顔面神経(Ⅶ)
- 顔面皮筋や顎二頭筋の運動
- 唾液分泌
- 味覚(舌の前方3分の2)/外耳の皮膚の感覚
顔面神経
内耳神経/聴神経(Ⅷ)
- 蝸牛神経:聴覚の情報を脳へ送る
- 前庭神経:平衡感覚
舌咽神経(Ⅸ)
- 唾液分泌
- 飲み込み/軟口蓋や咽頭の動きの調節
- 舌や咽頭の感覚
- 嗅覚
迷走神経(Ⅹ)
- 副交感神経:心筋と消化管の運動
- 飲み込み
- 喉頭蓋の運動
- 胸腔・腹腔内臓器の感覚
- 耳介と外耳道の一部の感覚
- 味覚(舌の後方3分の1)
副神経(Ⅺ)
- 頸部と前肢帯の筋肉の運動をコントロール
舌下神経(Ⅻ)
- 舌と舌骨の運動を調節
覚え方
覚え方はたくさんありますが、私はもっともオーソドックスな以下の方法で暗記しました。
I 嗅いで
II 視る
III 動く
IV 車の
V 三つの
VI 外
VII 顔
VIII 聴く
IX 舌に
X 迷う
XI 副
XII 舌
英語で覚える場合は、以下のYouTubeを活用しました。このOsmosisというチャンネルは、英語の勉強にも病態理解の勉強にもおすすめです。
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