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アメリカ留学生活 まとめ

アメリカ獣医 レジデントのお給料と生活費

はじめに

著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、2022年現在アメリカの大学で獣医救急集中治療(ECC)専門医を目指してレジデントをしています。

この記事では、レジデントのお給料及び、生活費が実際どの様なものかをご紹介します。あくまで、私のケースなので参考までにお読みください。

2020年にインターンのお金の記事を書きましたが、その頃とは時代が変わり、住む環境も変わったのでレジデントバージョンもお楽しみください。

アメリカ獣医 インターンのお給料と生活費 はじめに 著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務し、2020年現在アメリカの獣医大学で救急集中治療(ECC)の専門...

2022年現在

2022年、ドル高円安が進み一時期、1ドル、151円までに上がりました。私の収入は大学からドルで支払われる分のみなので、特に打撃はありませんが、日本から来られる方に取っては一刻も早く円高になって欲しいものです。

レジデントのお給料

大学によって、residentのお給料は様々です。私のお給料は、月3000ドルほど(年間36,000ドル)です。このお給料は、他の大学に比べると平均からやや低めかと思います。

大学が位置する州によって、全ての物価が高いので、賃金も高かったりもします。しかし、レジデントという立場上、40,000ドルを超えることは稀なのではないかと思います。

お給料は、マッチングの際のVIRMPのページに、年間の有給などと合わせて記載があります。マッチングをしている時は、お給料など特にランクに影響するものではないと思っていて、あまり気にしていませんでしたが、家族を養わなければいけない場合などは、ランクに関わる重要な要素になるのかと思います。

その他の収入

ありがたいことに、私の大学では、祝日出勤する場合に手当てがでます。(今まで働いたことのある他の大学ではこの様なシステムはありませんでした)

病院のシステム上、金曜日にきた患者さんは、週末に各科に転科することができないため、週末はERがinpatient care(基本的にサポーティブケアのみ)を行い、月曜日に、専門科に転科が行われます。

このERのinpatient careは、大学のインターンやレジデントが、アルバイトとして行うものです。7:30-17:30の10時間で700ドルのアルバイト料がもらえます。

入院患者数や、重症度によって、どのくらい仕事が大変になるか異なりますが、基本的に18時くらいには帰れることが多いので、貧乏レジデントにはかなりありがたいポジションになります。

このアルバイトのポジションがある大学で働いたのは今年が初めてで、今までの大学では特にこの様なシステムはありませんでした。

税金やら健康保険やら

思い出すと気が重くなるお金の話ですが、私の大学は毎月お給料からbenefit(健康保険や積立貯金など)が差し引かれます。なので、自分の手取りは月収-税金-健康保険(パーキング代)、ということになります。

私が加入した健康保険は、オプションの中で最もグレードの高いものです。それで月約200ドルほどです。

これらのお金が差し引かれて、毎月手取りで2.000ドル(アルバイトの稼ぎを含めず)はもらえることになります。

私は、資金調達のためにアルバイトになるべく入る様にしているため、月2-3回のアルバイト(1.400-2.100ドル)ほどのプラスアルファがあります。これも税金で持っていかれるので、最終的な毎月の手取りは3,300-3,900ドルほどです。

生活費

アメリカ にきて3年目になりますが、生活費が毎年どんどん上がって行っています。もちろん、シェアハウスをしていた1年目は家賃や光熱費が非常に安く済みました。そして2年目もそこそこ家賃が安い地域だったので、毎月少しずつ貯金もでき、お金に困ることはあまりありませんでした。

今年、生活費が爆あがりしたのは、家賃が一気に上がったこと、車の保険の値段が一気に上がったことです。

家賃は不運なことに、私が引越し先を探した時が最も高くなっていた頃で、静かな地域で選んだところどう頑張って探しても1,000ドル以下のところはみつけられませんでした。よって、今の家賃は1,030ドルです。家賃はタイミングによっても(毎日の様に)大きく変動します。1月に退去する人の部屋のリースで、私と同じ部屋のを探してみたところ、最安で830ドルになっていました。

リース(契約)の期間は7月からの1年間ですが、解約金600ドルを払うことで、アパート内でのtransfer(部屋を変更)することができます。例えば、私が830ドルの部屋に引っ越したい、ということであれば、600ドルを支払い、1月から引っ越すことができるのです。1ヶ月に200ドルの違いがあるので、600ドルを支払ってでも引っ越した方がお得になります。

友人のレジデントは2ベッドルームをシェアハウスして、大学から車で6分のところに600ドル+光熱費で過ごしているそうです。

そして、光熱費(月によって大きく異なりますが)今のところ月約100ドルほどです。水道代が30-40ドルほど。wifiが60ドル。

そして大幅に変わったのが車の保険料です。車の保険料は、州によって最低料金が異なり、私が暮らす州は車の事故が非常に多いこと、車の保険を持っていない人が多いことから、アメリカ1車の保険料が高い州、と知られています。私が支払っている保険料はずばり月額250ドルです。(去年は同じ値段で半年分でした)

ガソリン代や、車のメンテナンスにかかる費用もバカになりません。

食費に関しては、1週間100ドルほど、グローセリーに使っているのではないかと思います。基本的に外食は控えていますが、外食の値段も2020年に比較すると上がっていて、30ドルは簡単につかうことになるので、特別な日のみに行く様に心がけています。

大きな出費

年間を通して大きな出費があるとしたら、私の場合以下になります。

  • カンファレンス
  • 車のメンテナンス
  • ECFVGアメリカ獣医ライセンスの試験料(トータルで10,000ドルほどかかります)
  • 一時帰国
  • 引越しなど

カンファレンスは年に一度必須でいかなければいけないので、避けては通れません。大学からある程度の補助が出ますが、話に聞くところ、例えば遠い州に飛行機で行って、数日間ホテルに宿泊するプランだった場合でも、最高500ドルほどの補助が最高額になるため、完全に補助に頼りきれるわけではありません。(飛行機代だけで500ドルほどかかることが多いです)

車のメンテナンス(修理も含む)は、意外に毎年大きな額を支払っています。私は2020年に、2015年の車を12,000ドル(当時は1ドル110円弱)ほどで中古で購入しましたが、修理や登録に毎年500-600ドル以上の出費があります。

州をまたぐ引越しの際に、車の登録を行います。これも州によってややこしいのですが、登録料に加えて車の値段の数%(2%ほど)税金を支払わなければいけないのです。州によって毎年。私の週は1度支払えばそれっきりですが、400ドルほどの支払いになりました。

1年目にはトランスミッションの交換(1500ドルほど)が必要、2年目には1つのタイヤがパンクし交換(150ドルほど)、3年目には全てのタイヤを交換(600ドルほど)かかっています。わりといい状態で購入した車でも、この様に大きな出費が必要になることが多々あります。

おわりに

アメリカで生活するにあたって、お金の問題は避けては通れません。どの様にしてお金の工面をしましたか?というご質問を受けることがあります。初期費用(日本からアメリカ渡航、腰を据えるまで)は日本で働いて貯めた貯金を使い、働き始めたらなんとか生きていけるだけの収入はもらえる、というのが私の答えです。私は、中古車の購入なども含め、初期費用に20,000ドルほど必要でした。

最初はお給料が出るポジションにつくのが大変かもしれません。しかし、一度インターン、レジデントで月2,000ドルほどもらえる様になれば、なんとかなります。新しいことに挑戦するのは不安が伴います。このブログを通して、「実際どうなの?」というところに突っ込んで、皆さんのモヤモヤして不安な部分を解消できたらと思っています。ご質問があればメールをお待ちしています!

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