この記事の内容
- 推薦状が重要な理由
- 強い推薦状と弱い推薦状
- どんな推薦状が強いのか
- 推薦状をもらう方法
私は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。マッチングを2回経験して、今年3回目のマッチングに応募します。
【米国で働きたい獣医さんへ】強い推薦状をもらう戦略①で強い推薦状をもらう戦略の途中まで解説しました。②では自分の経験を踏まえて、私がどうやって毎年いい推薦状をもらおうと、もがいているかをご紹介します。
強い推薦状をもらう戦略
- 誰に頼むかを考える
- 推薦状を書いて欲しいということを2-3ヶ月前に伝える
- Strong letterをもらうために自分に足りないものを直接聞く
- 推薦状の内容を把握し、日々アピールする
- 1ヶ月前あたりにstrong letterを書いてもらえるかを確認する
推薦状を誰に頼むか。
ベストなのは、現段階で直接一緒に働いている、米国で名前の通った人。
そういうと、以下のような疑問が生まれるのではないでしょうか。
- 今一緒に働いている人からstrongなletterがもらえるかわからない。過去に一緒に働いた人でも良いか。
- 日本の大学の教授でも良いか。
- ビッグネームがかく推薦状と、無名の先生に書いてもらう推薦状の価値が違うか。
過去に一緒に働いた先生でもいいか。
いいかとは思いますが、これにはデメリットがあり、私が採用側だったら、「今年一緒に働いている先生にはどうして頼まなかったの?」という疑問が生まれます。
その質問に含まれる意味とは、「今年一緒に働いていたあの先生からはいい評価がもらえなかったのでは」になります。なので、自分の最新の成長をアピールしてもらうためにも、なるべく現段階で一緒に働いている先生にお願いする方がいいと思います。
今年一緒に働いた先生に、『微妙な評価をもらう』 vs 『過去に一緒に働いた先生にstrong letterをもらう』は、かなりグレーです。自分の悪い点を採用側に知られたくないので、私だったら後者を選ぶかもしれません。
日本の大学の教授でもいいか。
「推薦状が重要な理由」の部分にも記載しましたが、「この人誰?」という推薦状は好ましくないかもしれません。よって、日本人の先生であっても、アメリカでもある程度名前が通っている先生(米国専門医の先生)が望ましいです。
理由としては、日本でしか働いたことのない先生がいくら「この候補者はよく働いて、優秀で」と言っても、日本とアメリカでは、やはり文化が違い、仕事環境が大きく異なるからです。日本ではいい働きするかもしれないけどアメリカのシステムでやっていけるの?ということになってしまいます。
私は1年目にマッチングに応募した時は、大学の教授にお願いしました。そもそも、英語で推薦状を書いたことがないという方でしたので、お願いした私の方も正直ドキドキでした。
お忙しい先生で、締め切り1週間前でも音沙汰がなかったことが不安になり、「自由に編集して使ってください」と私が自ら自由記載欄の下書きを提出したくらいです。
その推薦状がどう功を奏したかわかりませんが、初めての年にしてはインタビューのオファーを複数の大学からいただくことができました。
そもそも英語で推薦状を書くことに慣れていない方に頼むのは得策ではないかもしれません。
ビッグネームがかく推薦状と、無名の先生に書いてもらう推薦状の価値が違うか。
おそらく多少は違うかもしれません。ビッグネームと無名の先生が全く同じことを書いた場合、ビッグネームや信頼のある先生が書いた推薦状の方が強くなる可能性は十分あります。
しかし、ビッグネームは候補者に対して、必ずしもいい評価の推薦状を書くとは限りません。ビッグネームの微妙な推薦状vs無名の先生のstrongな推薦状では、おそらく後者の方が好印象を与えると考えられます。strongな推薦状を書いてくれる人が現れるまで、推薦者を吟味するというのが戦略の最重要ポイントです。
推薦状を書いて欲しいということを2-3ヶ月前に伝える
大学では研修が始まって3-4ヶ月たった頃にevaluationがありました。
evaluationとは、facultyとの面接で、今までのパフォーマンスに対するフィードバックをもらう場です。そして私たち側からも、facultyや仕事環境に対するフィードバックをします。ここで不満に思っていることなどを伝えることができます。
このevaluationの際に私は明確に、来年レジデントに申し込みすることを断言し、先生方に推薦状を書いて欲しいと思っていることを伝えました。
Strong letterをもらうために自分に足りないものを直接聞く
ここで私はもう一歩ぐいっといったのですが、「2ヶ月後のマッチングで、strong letterをもらうには何を改善するべきか教えてください」と聞きました。
結構勇気がいる質問でした。でも、すぎた時間の評価は塗り替えることはできませんが、そこから何を変えられるか、成長できるかを考えるのは、マッチに関係なく大切なことだと思ったのです。
それぞれの先生が、こんなところに意識して診察するようにしたら、というアドバイスをくれました。おそらくこの質問をすることで、先生たちもそこを意識して評価してくれるようになると思うので、evaluationのチャンスは最大限に活用してください。
推薦状の内容を把握し、日々アピールする
①で推薦状の内容を把握することが重要だということを書きましたが、先生たちがどこに着眼して推薦状を書くかを把握することで、毎日の行動に変化が出るはずです。
例えば、この候補者は研究に対する意欲がありますか?という質問に対しては自分から研究をしたいです、とfacultyに相談しに行くという戦略が練れます。team workに関する質問に対しては、看護師さんの手伝いを意識して行う、など。
2ヶ月後にいい推薦状をもらえるように毎日の行動を意識することができます。
1ヶ月前あたりにstrong letterを書いてもらえるかを確認する
これが最も過酷な戦略です。でも必須の過程であると思われます。私は、微妙な推薦状ならない方がいいと思っています。怖くて怖くて、聞きたくない気持ちは山々なのですが、絶対に聞くべきです。
1回目のマッチングでは、このstrong letterの概念もよくわかっていなかったものですから、確認せずにお願いしてしまいました。
2回目のマッチングでは、インターンにもう一度申し込むと言っていたのでみんな喜んでstrong letterかけるよと言ってくれました。
今年のマッチングでは、厳しい先生が二人いたので去年までと違い、少し不安でした。
11月の段階で一人の先生に口頭で相談したところ、good to strongなレターは書けるけど、exceedingなのは難しいと言われていました。その時はショックで、泣きましたし、どうしよう、、、と思っていました。そもそもgoodの上のexceedingなレターがあるのか?それはレジデントになるのに必須なのか??という疑問も積もりつつ、1ヶ月必死に過ごしました。
最終的に締め切りの1ヶ月前、3人の先生にメールでオフィシャルに、そしてダイレクトに聞きました。
Would you be able to write me a strong letter?
以前good to strongと言われた先生からは、I’m happy to write you a strong letter!と言ってもらえました。そしてもう一人の先生からもstrong letterかけるよ!と。
最後の先生の返答の解釈にはかなり困りましたが、I’m happy to write a good letter for you, in terms of strong work ethic, —,—,,,,というものでした。これは、、、good letterなのか?strong letterと聞いたけどgoodで返ってきた、、、
3人くらいにこのメールをどう解釈するかを聞いたところ、みんな難しいね、、、でもこうゆうstrongなことかけるよって言ってるからこれは良く受け取っていいのではないか?という結論にいたり、お願いすることになりました。
まとめ
ここまでで、私のstrong letterをもらう戦略をご紹介しました。現段階で、マッチの結果もまだ出ていません。正直どれだけ私がstrongなletterをもらえているかもわかりません。
しかし、3回目のマッチングということもあり、この記事が誰かのお役に立てたら嬉しいなと思っています。アメリカでは、日本では躊躇して聞けないこともガンガン聞いていくのが重要です。頭ではわかっていても実際怖さがヤバイこともありますが、友達に相談して勇気をもらいながら一歩ずつ着実に進んでいくことが重要だと思います。