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【犬猫の胸壁の疾患】をイラストを用いて解説!

今回は、呼吸困難の11分類の1つ、【胸壁の疾患】についての投稿です。

肺は自らは運動できません。肺が膨らんだり縮んだりできるのは、胸壁を構成する呼吸筋(横隔膜と肋間筋)のおかげなのです。つまり、呼吸筋の運動が正常に行われなければ、肺は空気を含むことも、血液に酸素を取り入れることもできない臓器なのです。

呼吸が悪い=肺が悪い!

と考えてしまいがちですが、実はこのように、呼吸が悪い動物の中には肺以外の疾患を患っている可能性があります。

胸壁は密閉されていて初めて、胸腔内の陰圧陽圧を変えることで肺の中のガス交換を行うことができます。胸壁の疾患とは、胸壁の外傷や腫瘤などによって、胸腔内の圧を効率的に帰ることができない状況を指します。

この記事では、代表的な胸壁の疾患や、それらによる呼吸様式の特徴、安定化のポイントについてまとめました。肋骨骨折時に見られるフレイルチェストについてもイラストと写真で詳しく解説しています。

\この記事のハイライト/

☆胸壁の代表的な疾患

  • 胸骨骨折
  • 胸壁の貫通性外傷
  • 胸壁の腫瘤
  • 横隔膜ヘルニア

☆胸壁疾患でみられる特徴的な呼吸様式

  • 吸気/呼気努力
  • 奇異性の呼吸運動(フレイルチェスト)

☆フレイルチェスト(奇異性の呼吸運動)について

  • 肋骨の連続する骨折によって骨折片が胸壁と逆の動きをする
  • 吸気→胸壁は広がる→胸腔内陰圧→肋骨骨折片が胸腔内方向へ吸い寄せられる
  • 呼気→胸壁は縮まる→胸腔内陽圧→肋骨骨折片が胸腔外方向へ押し出される

☆安定化のポイント

  • ストレスを与えない
  • 酸素供給
  • 鎮静/鎮痛
  • 奇異性の胸壁の動きを抑制
    • 病変部を下にする
    • バンデージ
    • 必要に応じて気管挿管

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