はじめに
私は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務した後、2021年現在アメリカの大学で獣医研修医をしています。
アメリカで働き始めてから1年が経ったので、日本での英語勉強を振り返ってみようと思いました。日本で準備したことがどれだけ使えているかを振り返りながら、もう一度準備段階に戻るならこれを勉強していたな、と思うおすすめの勉強方法をまとめていきます。
実際1年間アメリカで働いて思うこと
- IELTS対策で勉強したことは日常生活には役立たない
- 今、生活で使ってる英単語は中学生レベル+α
- 日々ちょっとずつ使えるフレーズを増やしていくことが大事
もちろん同僚やペットの飼い主さん、学生とのコミュニケーションはすべて英語ですが、毎日のように、日本で勉強してきた英語ってなんだったんだろう、とつくづく思います。今あの頃に戻れるとしたら、私だったらこんな勉強する!、というおすすめの方法をお伝えしていきたいと思います。
IELTS対策で勉強したことの大半は日常生活に役立たない
私は、アメリカの大学で勤務するためにIELTSかTOEFLEのスコアが必要だったため、それに向けた英語勉強が日本での英語学習の中心でした。点数が足りないと採用されても働けないと思い、毎日スコアを伸ばすことに必死でした。
もちろん、中学生レベルの単語を知らないと英語は話せませんので、ある程度の基礎学習は必要です。しかし、IELTSのために勉強した単語を今生かしているかと考えると、答えはノーだと思います。なぜなら、実際に使うには難しすぎるからです。
例えば、IELTSのリーディングセクション、私が覚えている限りでは、例えば船の話、マネージメントの話、樹脂の話です。アメリカの動物病院で働いている時、に船や樹脂の話をする時があるでしょうか。
もちろん、雑談に出てくることはあるかもしれません。もしくは、実際に私の経験で、船のプロペラで外傷を負った犬の問診を行ったことはありました。確率は、ゼロではないけれども高くはないのです。
このような重箱の隅を突くような勉強をしていくことは、臨床現場で話せる英語を習得していくのに決して効率が良いとは言えないのです。
そして何より悲しいことは、自分自身にとって興味が持てない話は、全く頭に入ってこないし、モチベーションも上がらないんです。だって将来自分が使ってるところがイメージできないんですもの。
生活で使っている単語は中学生レベル+α
それでは、アメリカの動物病院での日常会話に必要なフレーズ、英単語とはなんなのでしょうか。
私は、アメリカに来たばかりの当時、喋っている時は、片言な話方をしていたと思います。とにかく一文一文を短く区切って、簡単にします。目的は、上手に話せるか、雑談で面白いことを言えるかではありません。必要な情報を伝えられるか、につきます。
使う文法はSV, SVOくらいです。そして、この文の前に、I would say, I just wanted to let you know, I was wonderingなどの型をつけるとそれらしくなっていくだけです。
よって、日本で英語の準備をする時に本当に必要なのは、難しい文法、単語ではなく、頻出の動詞(中学校レベル)および、あなたの生活にでよく使う単語になります。さらにフレーズ(+α)を使いこなせれば、大体の話したいことのニュアンスは、相手に伝わるのです。
日々少しずつ使えるフレーズを増やしていくことが大事
ここまで説明してきた通り、IELTS、TOEFLのための単語は日常でそこまで役に立ちません。難しすぎるし、アウトプットすることがないからです。とにかく大事な事は、頻出の動詞を使いこなしていくこと、フレーズを増やしていくことになると思います。頻出動詞は、徹底的に頭に叩き込み、使える状態にする必要があります。それは、知らないと話せないからです。
フレーズを自分のものにする、というのは、単語を一つずつ黙々と覚えていくのとは違い、情景を思い浮かべながら、どこで使うか、どんなニュアンスで使うか、想像力を働かせる必要があります。闇雲に覚えていくものでも、これだけ覚えたら大丈夫、という限界があるわけでもありません。
なので、日々、コツコツフレーズを自分のものにすることが大切です。
頻出の動詞は、そんなにたくさんありません。そして、頻出動詞にフォーカスした英単語本もたくさんあると思います。とにかく、瞬時に取り出せるように最もよく出し入れする脳の引き出しにいれる必要があります。なぜなら、英会話は、タイミングとスピード勝負なので、単語が思い出せずに、『あー…』、とか、『えーっと…』と考えている間に話の主導権を奪われてしまいます。
日本での心の準備
私は、英語が嫌いではなかったですが、英会話は本当にできなくて、日本にいた時の大きな悩みでした。実践あるのみ、と思い、毎日オンライン英会話をしていました。IELTSのスピーキングの練習をオンライン英会話で行った時は、話せないし、IELTSも伸び悩んでしまい、それがとても不安で、英会話中に半ベソをかいたこともあります。(笑)
皆さんの中には、日本である程度、英会話ができるようにならないとアメリカに行ったときに苦労すると思い、なかなか渡米の決心がつかない方もいるのではないかと思います。
私はどうかとういうと、当時すでに仕事も辞めて、数ヶ月後に渡米の予定が決まっていましたので、渡米が頓挫することがないで、毎日毎日その日が近づくにつれて、めちゃくちゃ不安になってました。
これでアメリカに行って、獣医師として働いて大丈夫なのか。追い出されないのか。苦労しないか。毎日すごく怖かったです。しかし、日本で焦ってストレスを抱えながら、死ぬ気でやったとしても、数日で英語力が伸びるものでもありません。
アメリカで1年過ごした今でも、うまく伝わってないこともあるし、相手が何言ってるかわからない時もあります。今でも成長段階です。なので日本で何日待っても心の準備ができる日なんて来ないんだなと今は思ってます。
心の準備ができるのを待つ必要はありません。
日本で吐くほど勉強しても、こちらにきて覚えてることはほんのわずかで、アメリカにきてからもっと効率よく吸収できるのです。
いろんなノウハウ本に書いてある、本当にそうなんだなと思うのは、実践あるのみ。みなさん、色々なことをおっしゃってますがが、これだけは本当に間違いありません。
まとめ
この記事のまとめとしては、日本で英語の勉強を何時間しても、実際にアメリカで英語を話さない限り、心の準備ができる日が来ることはないと言うことです。実際にアメリカで1年間仕事をした今でも、自分の英語に自信があるわけではありません。
日本にいる間に大切なことは、アメリカに実際に到着したときに受けるショックを想像することだと思います。このイメージをしておくと、日本でどの様に備えるかを対策することができるからです。