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アメリカで働く

アメリカで獣医師として働く方法③状況に合わせた補足情報

はじめに

著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務し、2022年現在、アメリカの獣医大学で救急集中治療(ECC)の専門医を目指してレジデントをしています。

アメリカで獣医師として働く方法①、②では、アメリカで獣医師として働くためのポジション、そして必要な資格やビザのことについてご紹介しました。この記事では、まとめ/補足として、金銭面、コネクションなどのシチュエーションに合わせたアイディアをご紹介したいと思います。

アメリカで獣医師として働く方法① はじめに 著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務し、2022年現在、アメリカの獣医大学で救急集中治療(ECC)の専...
アメリカで獣医師として働く方法②NAVLE, ECFVGとは? はじめに 著者は、日本の獣医大学を卒業後、一般病院で3年間勤務し、2022年現在、アメリカの獣医大学で救急集中治療(ECC)の専...
もくじ
  1. シチュエーションに合わせた戦略を立てる
    • コネクションはないが貯金がある場合
    • アメリカの大学になんらかの形で滞在できる場合
    • コネクションがある
  2. 1年間でEGFVGとNAVLEを取得しようとした場合
  3. まとめ

シチュエーションに合わせた戦略を立てる

アメリカで獣医師として働く方法①、②でアメリカの一般病院で働くための方法をご説明してきましたが、実際にどのようにクリアしていくかということに焦点を当ててご説明して行きます。

お金はあるけど時間がない、コネクションがない、お金がない、といった様々な障害が、渡米を阻む要因となることは間違い無いでしょう。ないものに目を向けることも時には大切ですが、まずは自分の強みとして、何があるかを考えてみてください。そこから可能性が広がるかもしれません。

コネクションはないが1000万円ほどの貯蓄がある場合

PAVEのプログラムに参加することが手取り早いと思います。プログラムにかかる費用が500万円くらいですが、さらに筆記試験、1年間の生活費を自腹で支払わなければいけません。実技試験は回避されますが、経済的な理由でなかなか難しい選択肢になるかと思います。

実際に、3人の韓国人の知り合いは、PAVEのプログラムで国家資格を取ってから研修医をしています。アメリカに滞在する方法を見つけるまでが大変だと思うので、日本からなんのコネクションもなく始める場合はこの方法は有効だと思います。

アメリカの大学になんらかの形で滞在できる場合

EGFVGの筆記試験、BCSEは日本にいても十分勉強可能です。テスト対策用の教材を英語で勉強していくだけなのでどこでやっても同じです。EGFVGで最も難関なのが、実技試験があるというところになります。実技試験には、外科手術、牛や馬の診断、病理解剖などが含まれているため、実際に大動物を使った試験対策をしないと合格が難しいです。

そこで、アメリカで研修医をしている場合、自分の時間を使って大学で実習をさせてもらう、という方法があります。アメリカの大学は、来るもの拒まずで教育をしてくれるところが多いです。研修医期間中、もしくはマスター、フェローの際にこれらのスキルを習得することができれば、お給料をもらいながらこのような経験が詰める可能性があるので一挙両得です。

研修医生活では、大学によっては非常に忙しく、自分の時間がとれないところも多いです。なんらかの形で滞在できて、大学内にいられるならばこのような可能性もあるということです。

コネクションがある

ECFVGに合格するために、アメリカでないとできないことは、CPE(実技試験)の練習です。実技にさえ合格できるスキルと知識をつければ、他は日本にいてもやることは同じです。

なので、自分の弱点(大動物など)に合わせた実習を、例えば知り合いの牧場で、など個人的にお願いすると言う手もあるかもしれません。

1年間でEGFVGとNAVLEを取得しようとした場合

最後に最短でこれらの試験をパスしようとするとどの様なスケジュールになるかを見ていきましょう。

EGFVG Step 1:申し込み

申し込みになります。必要な書類は、日本の獣医大学の卒業証明と成績表になります。

大学の卒業証書に偽りがないかという、資格証明が必要になるため、時間に余裕を持って申込をするのが良さそうです。

EGFVG Step 2:英語の試験

TOEFL, IELTSの選択肢があります。

アメリカでIELTSの受験を考えた時に、車で6時間のところが最も近いということが判明し度肝を抜かれました。IELTSは大体月に2回開催されています。受験から結果が届くまでに13日間かかります。

TOEFLは受けた経験がありませんが、今は自宅のパソコンから受験が可能だそうです。

EGFVG Step 3:BCSE(筆記試験)

筆記試験はStep 2までクリアした場合に初めて申し込むことができます。日にちは申し込んだ時点で決定します。

BCSEに合格するとNAVLEの受験資格が得られます。NAVLEは年に2回、10-11月と4月になります。応募締め切りはそれぞれ2ヶ月前の8月と2月になります。

EGFVG Step 4:CPE(実技試験)

Step 4も、3をクリアして初めて受験が可能になります。応募してから日程が決定します。筆記試験と同時進行で実技の勉強もしていくことになります。

CPEの日程がどの様に組まれるかは、私にはわかりませんが、Step 3及びNAVLEまでは1年間で終わらせることができるかと思います。実際にインド人の友達は、Step 3及びNAVLEまでインドで終わらせてきて、CPEをアメリカでのローテーティングインターン中か後に受けるといました。

まとめ

この記事では、アメリカで働くきっかけを作るための大堂をご紹介しました。

今までで、様々な国からPAVEやECFVGを獲得したのちにアメリカ獣医大学でインターンやレジデントをしている先生たちに会いました。AVMAの承認のない大学を卒業した獣医さんにとって、専門医への道のりは険しく、様々な手段を駆使して研修医のポジションを掴んでいる様です。

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